「ゲット・アウト」ーー現代のアメリカで黒人が生きていく恐怖をスリラーで
遅ればせながら、見ました。
ゲット・アウト ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
- 発売日: 2018/04/11
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アカデミー脚本賞をとった評判のスリラー映画。評判とおり、怖くて、面白かった。白人女性の恋人の実家に行くことになった黒人青年。弟はちょっと変なものの、医師で知的な両親をはじめ、家族の友人、知人を含め白人の皆様はみんな歓待してくれるのだが、黒人をメイドや庭師にした、その家のムードはどこか、おかしい。その異様なムードが恐怖を呼ぶ。
この映画を見ていると、表面的には平等でも、どこかで白人優位思想が残る社会で暮らす黒人の緊張感を体感できる。白人の犯罪者に襲われているときにパトカーが来ても、安心できない。警察が黒人を守ってくれるとは限らないから、パトカーがかえって緊張感を生む。
米国では、ときには黒人に対する警官の人種差別的な暴行事件がよく話題になるが、この映画、そうした社会に暮らす黒人の緊張感をスリラーの形で体感させてくれる。ドキュメンタリータッチで真正面から声高に警官や白人優位社会の横暴を告発するよりも、どこかマンガ的な展開もあるスリラーの形式の、この映画のほうが、人種によって運命が変わる不条理な社会に暮らす黒人の緊張感を体感的に伝えてくれる。
人種を超えた恋人をもつこと自体がリスクであり、ときに恐怖と緊張を生むのだなあ。自分の部屋にいるときはいいが、一歩、外へ出ると、一緒に車でハイウェーを走っているだけで、サスペンスが生まれる。そんなことを感じさせてくれる映画だった。
この映画、ちょっと「マルコビッチの穴」的なところもあるのだが、催眠術を操る恋人の母親役でキャサリン・キーナーが出ていた。このあたりのキャスティング、意図的なのどうか、わからないが、面白い。
もうひとつ、映画の本筋とは関係なく、気になったのは、主人公がつかっているパソコン。マイクロソフトのSurfaceなのだ。主人公はカメラマンだから、アート系、クリエティブ系の常として、使うならば、MacBookかiPadだと思うのだが、なぜか、Surface。これも主人公が黒人であることに関係があるのか。あるいは、単に、プロダクト・プレイスメントというか、スポンサーの関係なのか。意味があるのかないのか、わからないが、ちょっと気になった。
それはともかく、久しぶりに怖くて、面白い映画でした。
劇作家のニール・サイモンが死去
「ちびまる子ちゃん」のさくらももこさんが亡くなりましたが、海の向こうでは、この人が...
米国を代表する劇作家の1人、ニール・サイモンさんが26日、地元マンハッタンで肺炎の合併症のため亡くなった。91歳だった。1960年代や1970年代に発表した数々のコメディ作品は、その多くが映画化されヒットした。作品の多くはテレビでリメイクされたり、今も繰り返し舞台で再演されている。
米国の劇作家、ニール・サイモンが死去。映画化された作品も多く、代表作といわれるのは...
こちらは、ジャック・レモンとウォルター・マッソーの映画。
若き日のロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダが共演した映画もあった。
でも、好きなのは、こっちだなあ。
これで、リチャード・ドレイファスはアカデミー主演男優賞を受賞。ヒロインのマーシャ・メイソンは、このときニール・サイモンと結婚していた。その後、別れるけど。
ニール・サイモン、基本的には舞台の人といっていいようで、日本でも、戯曲集が出るぐらいの米国の代表的劇作家。
都会の人情喜劇が得意な人のようにみえた。合掌。
★ ウィキペディアで経歴をたどると => ニール・サイモン - Wikipedia
久保建英がイニエスタの前でJ1初ゴール
昨日の話ですが...
久保建英がJ1初ゴール‼‼‼
— Goal Japan (@GoalJP_Official) 2018年8月26日
J1初スタメンの17歳が“先輩”イニエスタの眼前でゴラッソを沈めた👏#久保建英#fmarinos pic.twitter.com/8975YyeIjY
FC東京から横浜マリノスに移籍した久保建英、バルセロナのカンテラの先輩であるイニエスタの前で、J1初ゴール。ドラマチックな選手だなあ。久保、18歳になったら、バルセロナから声がかかるのかな。個人的には、横浜じゃなくて神戸に移籍して、イニエスタと共演してほしかったけど。
あのカラシニコフがテスラに対抗して電気自動車を開発?
BBCに、こんなニュースが...
BBCニュース - 露カラシニコフが電気自動車を発表 「米テスラに対抗」 https://t.co/fI4dBBn8kR
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) 2018年8月24日
ロシアが創り上げた最大のブランドともいえるカラシニコフ、あの世界でゲリラが愛用している自動小銃、AK-47のカラシニコフが電気自動車を開発したのだとか。このBBCの記事を読むと、カラシニコフはすでに軍事ロボットも開発して、発表しているという。
AK-47は単純な構造で、ハードな環境での生産、使用に耐えるといわれていた。そんなカラシニコフがつくった電気自動車だから、デザインは今一つどころか、今三ぐらいのものだが、ヘビーデューティにも耐えるハードでコスパのすぐれた自動車なんだろうか。
しかし、カラシニコフも時代に合わせて、新しい製品を生み出そうとしているのだなあ。いかにもITベンチャーっぽいテスラに無骨なカラシニコフが勝つというのも、ちょっと爽快な感じもする。でも、見た目でいうと、どっちに乗りたいか、といわれると、今のところ、テスラかな。
カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男 (朝日新書 106)
- 作者: エレナ・ジョリー,山本知子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
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猫に小判、豚に真珠、役所に歴史資料...。富士山測候所の日誌が廃棄されていたとか
科学者はノートが生命と言うけど、役所にとって、そんなことは関係ないらしい。
気象庁富士山測候所の職員が68年間つづった40冊以上の「カンテラ日誌」が所在不明になっていた問題で、同測候所を管轄した東京管区気象台は毎日新聞の取材に、昨年11月以降に「文書整理の一環」で廃棄していたことを明らかにした。気象観測のほか、眼下の空襲など太平洋戦争も記録した貴重な資料が失われた。閲覧したことがある気象専門家らは「職員が見たまま感じたままを率直に記した第一級の歴史資料だった。機械的に捨てるなんて」と批判している。
富士山測候所:日誌を廃棄 68年間つづった貴重な40冊 - 毎日新聞
気象庁富士山測候所の職員が68年間つづった40冊以上の「カンテラ日誌」が所在不明になっていた問題で、同測候所を管轄した東京管区気象台は毎日新聞の取材に、昨年11月以降に「文書整理の一環」で廃棄していたことを明らかにした。気象観測のほか、眼下の空襲など太平洋戦争も記録した貴重な資料が失われた。閲覧したことがある気象専門家らは「職員が見たまま感じたままを率直に記した第一級の歴史資料だった。機械的に捨てるなんて」と批判している。
役所にとって、測候所の日誌もゴミなんだなあ。記録に対するリスペクトがない。保管場所の問題というのならば、デジタル化という方法があるし、自分のところで不要と思うのならば、気象大学校でも、日本気象学会でも、日本山岳会でも、富士山関係の博物館・研究施設でも、国立国会図書館でも、どこかに寄贈すればいいのに。役所が金儲けに走って民間にオークションで払い下げても、誰かが持っていれば記録は残るだけに価値がある。捨てたら、すべてが消えてしまうだけ。
歴史に対する責任、記録が未来に貢献する可能性があることなど、役所には全く関心がないのだなあ。むしろ、いかに記録を抹殺するかにしか興味がないのか、とさえ思えてしまう。お役所仕事というのは、機械的に記録を抹殺していくことなのかと思ってしまう。紙は捨てるにしても、デジタル化してしまえば、そんなにコストもかからないのに、いつの時代を生きているのか...。猫に小判、豚に真珠、役所に歴史資料か...。
スポーツ団体幹部と反社(暴力団)との関係、認めれば、即アウト。認めなければ、セーフ?
暴力団との交際が報じられ、本人も過去に交際があったと認めていた日本ボクシング連盟の会長問題...
選手への助成金の不適切な流用や、暴力団員だった人物との交際などが指摘され、日本ボクシング連盟の理事会から進退について一任されていた山根明会長が大阪市内で8日午後会見し、「私は本日をもって、会長を辞任致します」と述べ、辞任を表明しました。
男、山根会長、写真が出てきたところで交際を認めてしまったが、そこでアウトだったのだなあ。危機管理的には、メディアに話し過ぎると思ってはいたが、やはり...。だいたい多弁はボロが出る。
一方、こういう場合、大人は事実を認めない(たとえ写真があっても)。メディアに対してはひたすら沈黙を貫く。そして関係先に対しては、知らぬ、存ぜぬ。絶対に事実を認めない。この場合の生存率は高いように思える。3、4年前、暴力団との写真が海外メディアに流れたJOCの副会長は、捏造だと言い張り、交際を否定。文科省もJOCも調査するポーズを見せてはいたが、結局、うやむやに終わった。
その人物は今も日本相撲連盟の副会長の座にいるが、こちらについては、スポーツ庁長官は、どう考えているのだろう。写真があっても、本人が認めれば、アウト、認めなければ、セーフ?
危機管理の教科書としては、反社会勢力との写真が出てきても、ともあれ、捏造だ、フェイクニュースだと言い張る。たとえ、昔からの友人であったしても、知らず、存ぜぬ。男らしく認めるのは間違いで、オトコではなくオトナになって、どんなに罵倒されようと、みんなが忘れるのを待つ。これが処世術としては正解なのだなあ。
この成功体験を持つ人は大学に危機管理学部をつくったらしいが、そこでは、どんなことをを教えているのだろう。日本ボクシング連盟とJOC、ケーススタディとして比較できそうだけど。
日本大学(危機管理学部・スポーツ科学部) (2018年版大学入試シリーズ)
- 作者: 教学社編集部
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最期の最期まで戦い続けた翁長雄志・沖縄県知事が死去
ずいぶん痩せてしまって、いかにも具合が悪そうだったが...
沖縄県の翁長知事が死去。この記者会見が最後であり、遺言だったのかもしれない。
ryukyushimpo.jp 翁長知事は那覇市議、沖縄県議、那覇市長と、もともとは自民党。それが自民党政権と対峙する。そこに沖縄の戦後が象徴されているようでもある。翁長知事の死後、沖縄はどうなっていくのだろう。自民党の圧力を受けて、自民党に近づくのか。自民党政権に抵抗を続ければ、21世紀版の「琉球処分」が待っているのか。
一方で、国内の事情とは別に東アジアの安全保障情勢も、米国のアジア戦略も変化しているように見える。朝鮮半島の緊張緩和、中国の海洋進出、米国トランプ政権の海外基地縮小の可能性など、今までのような冷戦を引きずった単純な構図とは違う現実が生まれてきそう。そのなかで、沖縄の民意は、どのような知事を選択するのだろうか。
翁長知事、左右によって評価は分かれ、毀誉褒貶は激しいようだが、何よりも沖縄の民意に立ち、ヤマトンチュと戦い続ける人というイメージがある。海洋国家・琉球の伝統のもと「万国津梁」の精神をもった誇り高き琉球人だったのだろう。ともあれ、合掌。