「サウンド・オブ・ハート」ーー韓国が漫画家の笑いと涙の日常を描くと...

 NETFLIXで見た韓国ドラマ...

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 韓国のウェブ漫画家を主人公にしたコメディ。主人公の漫画家を、「トンイ」で間抜けなのっぽの楽師を演じていたイ・グァンス、そのアホな兄を「ミセン」で主人公の頼りになる先輩役だったキム・デミョン。韓国の漫画家のドラマが面白いのかどうかと最初は思っていたのだが、見始めると、このふたりを中心に役者が揃っていて、ともかく笑える。かなりバカバカしい。

 笑いの感性が共通しているということは、それだけ韓国の普通の人の生活が日本と近いためなのかもしれない。サラリーマンの兄が仕事がなくても会社から帰れないのは主任が帰らないから、主任が帰れないのは課長が帰らないからで、課長が帰れないのは部長が帰らないから、といった会社の風景は日韓ともに変わらない。グローバル化が進む中での英語コンプレックスをめぐる話も同様。

  一方、主人公の父親が映画のエキストラで演じた北朝鮮兵の格好のままバスに乗ったところ、北朝鮮の攻撃か、と、車内がパニックになるところなどは韓国ならではのネタか。ともあれ、バカバカしい漫画家コメディで、楽しめた。

 漫画家のテレビドラマ・映画は日本では定番のひとつで、すぐに思いつくものだけでも...

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バクマン。

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 どれも面白く、楽しめ、ほろっとさせるところもある。漫画家は日本でも韓国でもドラマになるのだ。「サウンド・オブ・ハート」はキャストを変えた第2シーズン(「サウンド・オブ・ハート・リブート」)が出ているようだが、こちらはまだ見ていない。「トンイ」と「ミセン」でお馴染みとなったふたりの芸達者が演じたオリジナルキャスト版のイメージが強力で、今ひとつ食指が動かない。ヒロインのチョン・ソミンも可愛かったし(コメディエンヌとしても挑戦していたし)、母親役のキム・ミギョンは韓国ドラマで見かけることが多い女優さんで、このドラマでもキャラが立っていた。このドラマ、役者もネタも揃っている。

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東京五輪買収疑惑、JOC会長がフランス当局の捜査線上に? ブラック・タイディングスの名が再び

 フランスの捜査当局はまだ追いかけていたのだ。

www3.nhk.or.jp  NHKはじめ日本のメディアの記事では「シンガポールの会社」って簡単に報じているけど、海外メディアははっきりと名前を出している。その会社は、悪名高き「ブラック・タイディングス」。当時、実力者の国際陸連会長への賄賂の窓口とみられていたペーパーカンパニーで、ロシアのドーピング疑惑を告発したドイツの公共放送局の調査報道で初めて名前を聞いた。ドイツの取材班はこのとき、実際にシンガポールの住所まで訪ねて実体がないことを暴いている。

 コンサルタント料という名目だったとしても、そんな会社に大金を振り込めば怪しいと思われても仕方がない。だいたい、この買収疑惑自体、ロシア・ドーピング疑惑のカネを追いかけているうちに出てきた話みたいだし...。

 この話、これまで熱心に取材・報道していたのはFACTAぐらいだった。例えば、

 2016年3月号では

 東京五輪招致で電通「買収」疑惑:FACTA ONLINE

 2016年7月号でも

 東京五輪「裏金」仏捜査が拡大:FACTA ONLINE

 そして、2018年3月号でも

 電通「東京五輪買収」の物証:FACTA ONLINE

 FACTAオリンパス問題でもしつこかったけど、東京五輪買収疑惑も追っかけ続けていた。ほかはどうかと思って、改めてGoogleを検索してみたら、東洋経済も頑張っていた。

toyokeizai.net  こうした報道を見てきていると、今回の報道が出てきても、「東京五輪が買われた」ということ自体に驚きはない。驚くとすれば、フランスの捜査当局がまだ諦めていなかったことだろうか。

 この話、日本のメディアの大勢はフランスの報道を淡々と伝えた第一報のあと、どうカバーしていくのだろう。FACTA東洋経済も広告依存度は低そうだけど、東京五輪で一儲けを考えているメディアは「もうフランスはぁ。来年のオリンピックに向けてみんなで盛り上げようと思っているときに空気を読まないやつだなあ。ゴーンを逮捕した仕返しか」とか思っているんだろうか。で、いつものように黙って嵐が通り過ぎるのを待つのか。

 Amazonを見ていると、東京オリンピック、書籍出版の世界ではバラ色、夢いっぱいモノだけじゃなくて、こんな本も出ていた。

2020年 東京五輪の黒いカネ

2020年 東京五輪の黒いカネ

 
電通巨大利権~東京五輪で搾取される国民

電通巨大利権~東京五輪で搾取される国民

 
ヤクザと東京五輪2020: 巨大利権と暴力の抗争

ヤクザと東京五輪2020: 巨大利権と暴力の抗争

 

 これも東京五輪に関連したひとつのジャンルかも。裏オリンピック物語か。

高月靖『在日異人伝』ーー力道山から町井久之まで朝鮮半島にルーツを持つ異能、異才な人たちの人生行路

 こんな本を読みました。

在日異人伝

在日異人伝

 

  在日コリアン列伝。「異人伝」の「異人」は、異能の人という意味。確かに芸能界、スポーツ界から経済界に至るまで、異能を発揮すると、「あの人、ザイニチじゃないの?」という噂が走ることがある。噂が真実の場合もあれば、フェイクの場合も。そして、そうした日本の風潮の中で、カミングアウトする人もいれば、沈黙する人もいる。それは人それぞれの人生観であり、それぞれの物語。

 この本では、戦後史に燦然と輝く実績を残した在日コリアンたちが紹介されている。朝鮮半島出身の人と知っていた人もいれば、知らなかった人もいた。目次で見ると、この本でとりあげられているのは、こんな顔ぶれ。

序章 「噂」の背後に横たわる歴史

第1章 半島の原風景

 力道山  物語を生きた男

 立原正秋 年譜に刻み込んだ創作

 張本勲  大歓声に沸く球場のチマチョゴリ

 韓昌祐  70年目を迎えた挑戦

 陳昌鉉  朝鮮の山野に溶けた旋律

第2章 多国籍文化の担い手

 ジョニー大倉 ジョン・レノンに託した叫び

 松田優作   不条理をくるんだ訛り

 鄭大世    黒板に書いた「祖国」代表の決意

第3章 戦いと蹉跌

 徐勝   二つの祖国

 李熙健 「民族系金融」の蹉跌と遺産

 金嬉老  日本への望郷

 町井久之 日本に託した夢

インタビュー

 鄭義信  石垣朝鮮集落の記憶

  力道山張本勲松田優作ジョニー大倉は有名だが、立原正秋朝鮮半島の流れの人だとは知らなかった。鄭大世など名前で最初からわかる人もいる。

 それぞれの人生を通じて、日本の戦後史と同時に朝鮮半島の歴史を知ることができる。南北の分断、左右両派の凄惨な対立、朝鮮戦争といった半島の歴史に翻弄され、帰るに帰れなくなった人びとも多かったことを知る。勉強になります。読んでいて、深沢湖の小説『海を抱いて月に眠る』に通じるものを感じた。あちらは小説だが、こちらはリアルな物語が綴られている。印象に残る本でした。

「ジオストーム」ーー天災よりも人災が恐ろしい?

 遅ればせながら見ました。もう天災は天災じゃなくて人災ですという物語。

  天候を制御するシステムができた近未来の物語。そのシステムを何者かが操作して、世界中に天変地異が...というSFもの。SFXを見せる映画。「デイ・アフター・トゥモロー」とか「2012」とかいった系統の天変地異SF系のなで、監督はローランド・エメリッヒかと思ったら、ディーン・デヴリンという人だった。どんな人かと思って、ウィキペディアを見てみたら、エメリッヒの「インデペンデンス・デイ」「GODZILLA」「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」の製作・脚本を担当していた人だった。自分で監督したくなってしまったんだろうか。ともあれ、似たような匂いのする映画のはずだった。

「OK Google」より「Alexa」がかわいくて、Echoをまた買ってしまった

 年末年始にAmazonバイスをバカ買いしてしまったのだが、3つめはこれ...

Echo 第2世代 - スマートスピーカー with Alexa、チャコール

Echo 第2世代 - スマートスピーカー with Alexa、チャコール

 

 AmazonのEcho。初物好きの性格のため、既に居間にはGoogle Home、寝室にはEcho Dotがある。そして1年あまり使った末に、Echoかな、と。どちらもまだ完全ではないし、検索ではGoogle Homeのほうがアタマがいい感じもするのだが、EchoはAlexaがかわいいのだ。

 「好きな俳優はだれ?」などというアホな質問にも答えてくれる。「ベネディクト・カンバーバッチエマ・ストーンです」とか。「好きな映画」と聞けば、映画史的には「市民ケーン」だろうけど、自分は「カサブランカ」推しだとか。プログラミングされた答えとはわかっていても、遊び心があって楽しい。さらに、お試し期間でAmazon Music Unlimitedに入っていることもあり、いろいろな音楽を聴く面からもEchoだな、と(地上波テレビを見なくなったので、音楽を聴く時間が増えている)。

 そんなこんなで、寝室だけでなく居間にもEchoを置こうと思ったのが購入のきっかけ。Echoシリーズには、スクリーン付きのEcho Spotがあるが、これは便利そうだなと思いつつ、カメラがついているので監視されているみたいなのが嫌だなと。盗み聞きよりも盗み見のほうが気味が悪いのだな。で、基本的にスピーカーはEcho Dotよりももうちょっといいものを試してみたいということで、Echoにしてしまった。年末のサイバーマンデーで買ったKindle系と同じく、Echoも初売りで1万円を切る値段で出ているのを見て、ポチッとしてしまった。

 Echoを置いて、居間でもApple Musicを楽しんでいます。見ていると、イライラすることの多いテレビよりも音楽のほうが癒やされます。というわけで、我が家のGoogle HomeAmazon Echoの一戦は、「OK Google」を押しのけてAlexaさんの勝利に終わりました。このふたつ、天気予報も(情報源の違いだと思うけど)、微妙に違うときがあるし、検索機能ではやっぱりGoogleかもしれない。でも、本来の機能とは違うのだとは思っても、「好きな歌手は平井堅です」とか答えてしまうAlexaのかわいさに惹かれてしまうのだな。そして、いつの間にかEchoに家を占拠されてしまった。

 結果、この年末年始で、本はKindle Paperwhite、映画はFire HD 10、音楽はEchoと、Amazonに完全に取り込まれた情報環境に…。あぶないなあ... 。でも、いいんだよなあ、困ったことに。

「ヒトラーの共犯者たち」ーー群像劇で見るナチスドイツの興亡

 年末年始に見るようなものでもないような気もしたけど、NETFLIXで見てしまいました。

www.netflix.com  10話完結のドキュメンタリー。悪はひとりではならず、とでもいうのでしょうか、ナチスドイツの興亡を、ヒトラーを取り巻く側近たちの群像劇として描く。そこが新鮮であり、一人ひとりの運命の変遷に興味を覚える。ナチスがどれだけの悪をなしたとしても、ヒトラーひとりでできるわけもなく、ともに政策を練り、実行する人々がいたということ。ゲーリング、レーム、ヘス、ゲッペルスヒムラー、ハイドリヒ、ボルマン、シュペーアなどなど。それぞれの野心と権力欲、忠誠心が織りなす物語に引き込まれた。

 ナチスの高官たち、名前は知っていても、どのように育ち、どのような役割を果たしたかは意外と知らない。マルティン・ボルマンが何をきっかけに政権中枢に成り上がったのかは、このドキュメンタリーを見て初めてわかった。第1回に登場するディートリヒ・エッカートは名前も知らなかった。この国家主義者がヒトラーを発見し、教育するという、いわばインキュベーターの役割を果たした。そして自分が育てたのが怪物だと知ったときには、もはや制御しようもなくなる。

 ともあれ、ヒトラーを取り巻く人々の来歴や役回り、側近同士の嫉妬や権力闘争、陰謀などなど「仁義なき戦い」のような感じ。ヒトラーを利用しようとした者、心酔していた者、それぞれといった感じで、ナチスドイツの崩壊過程に入っても、殉じる者、逃げる者、連合国と取引しようとする者など様々。

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メディアビューアーにFire HD 10を買ってしまった。とんでもなくコスパ抜群

 年末年始にAmazonバイスを立て続けに買ってしまったのだが、Kindle Paperwhite防水機能搭載版のあとに購入したのがこちら...

Fire HD 10 タブレット (10インチHDディスプレイ) 32GB

Fire HD 10 タブレット (10インチHDディスプレイ) 32GB

 

  タブレットiPadを以前から使っている。2018年に新しいiPad Proが出て、ちょっと物欲が動いた。しかし、既にiPad ProとApple Pencilを使っているので、新しいのはさらに進化して、すごそうだな、とは思ったものの、ポチッとするところまでは行かなかった。

 で、改めて、iPadを何に使っているかと考えてみたところ、ほとんどメディアビューアー。コンテンツを読んだり、動画(映画)を見たり...。近頃は地上波のテレビに見るものもないので、ネット系のコンテンツを見ることがが特に増えている。NETFLIXであったり、Amazon Prime Videoであったり、DAZNであったり…。Apple Pencilで遊んだのは最初の頃で最近はあまり使っていない。そんな現実を考えると、何もiPad Proを新たに買う必要もない。

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