菅内閣の支持率、20%割れ。ついに、というか、やっぱり、というか

共同通信社が11、12両日に実施した全国電世論調査によると、菅内閣の支持率は19.9%と先月中旬の前回調査から12.3ポイント下落し、発足後最低となった。20%を割り込んだのは鳩山内閣が退陣直前に記録した19.1%以来。野党が参院過半数を占める「ねじれ国会」への対応に加え、支持率急落で菅直人首相の政権運営は一層厳しくなるのは確実だ。

 菅内閣の支持率はついに20%を割る。死に体。といって、次がどうなるのか。小沢、鳩山も終わっているし、前川外相もどうもピントがずれている感じ。次の世代に誰がいるのだろう。

あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの (幻冬舎新書)

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エジプトのロゼッタ革命、フェイスブックとウィキリークスの革命

 エジプトの非暴力革命は世界史に残る大事件となった。これから、どのような政権ができるのか、わからないが、暴力によってではなく、平和的なデモによって(散発的な暴動はあったにせよ)、独裁政権が倒れた。主役はもちろんエジプトの人々だが、その背後にサポーターとして見えたのは、フェイスブックウィキリークスだった。そう思うと、『フェイスブック――若き天才の野望』の著者、デビッド・カークパトリックが日経ビジネスオンラインのインタビューで答えていた、こんな話がとても含蓄のあるものに思えてくる。

マークは自分を「ハッカー」だと思っているんだ。フェイスブックIBMソニーみたいなエスタブリッシュメントの企業じゃない。どちらかと言えば、ウィキリークスに近い(笑)。ハッカーも世界を変えようとしているよね。たいていは世界をぶっ壊そうとしているわけだけど。マークがやりたいのは、その逆でクリエイティブな人間たちを集めて世界をもっと素晴らしいものに変えようとしている。だから、ハッカー文化が会社から無くならないように気をつけているし、彼自身は確信的ハッカーなんだ。

 フェイスブックマーク・ザッカーバーグも、ウィキリークスジュリアン・アサンジも、オープンな世界は、より良い世界をつくるという信念をもったハッカーだ。そのふたりがつくった仕組みがいずれもエジプト革命の推進役になった。フェイスブックには、今回の革命の原動力になったコミュニィーサイトがある*1
 一方、ウィキリークスが暴露した外交公電は、ムバラク大統領が自国民の民主主義を信ぜず、スレイマン副大統領がCIAに近い人物という報道を生み出した。これでは、いくら改革といっても、国民は信用しない。さらに、米国がエジプトで拷問などの人権侵害が行われていることは熟知していたことも、反政府派と接触していることも公電でも明白になってしまったわけで、下手な介入はできなくなった。ウィキリークスが米国の外交公電を暴露したときは行き過ぎではないかと思ったし、今でもそう思ってもいるのだが、チュニジア、エジプトなどの革命で果たした役割の大きさは認めざるを得ないところがある。
 フェイスブックウィキリークスの理想主義的側面が今回の非暴力革命を支えるインフラとなった。カークパトリック風にいえば、平和裡に政権をぶっ壊すところまでは達成し、歴史を創った。今度は、素晴らしい社会をクリエイトできるかという最難関の課題に取り組むことになる。もし新しいエジプトを創造していくうえでも「オープンな世界」が力を発揮することになるならば、「世界を変える」という理想は、見果てぬ夢でなかったことが証明される。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

*1:有名なところでは「4月6日運動(6th of April Youth Movement)」= http://www.facebook.com/shabab6april = とか、グーグルの幹部もメンバーといわれる「We are all Khaled Said」 = http://www.facebook.com/elshaheeed.co.uk = とか

エジプト革命で見えた日本メディアのお子様化。やはり中東のことは中東のメディア、世界史的視点なら英国のメディア?

 今回のエジプト革命。日本のメディアには存在感がなかった。というか、この民主主義の教科書のような事件に、まるで関心がないようだった。フェイスブックとかウィキリークスとか最新のネット現象も登場し、社会学的にも絶好のテーマなのに、そこにも興味がない風だった。現実には誰もが信じなくなりかけている民主主義を叫び、最新のデジタルツールを使って、見たこともない「連帯」を実現し、非暴力革命を目指す人たちが出現した。タハリール広場に入った海外の記者たちが、その熱気のなかに新しい時代の躍動を感じ、興奮した様子でレポートしているんだが、日本勢には、その熱がない。現場の記者の感受性の欠如か、そんな報道など日本には要らないという東京の判断かなのか...。
NHK 週刊こどもニュース 2011 いずれにせよ、日本のメディアは「週刊こどもニュース」と「小学生新聞」の世界になってしまった。わかりやすい後講釈はあるけど(お子様向けに食べにくいところは除きました...)、解釈が定まらない今を伝える仕事はやろうとしない。NHKもテレビ・ラジオを持つ国民全員から受信料をとるならば、BBCぐらい、きちんとレポートすればいいのに。日本の“国営放送”は「パンとサーカス」のメディアなのだろうか。報道にはリスクもコストもかかるから、やりたくない気持ちもわかるけど。
 結局、今回目立ったのは中東の放送局と英国系メデイアだった。米国系はジャーナリスト個人の奮闘はあったが、メディアとしては精彩を欠く。日本が米国に似たのか、米国が日本みたいになってきているのか、内向き、バラエティ化が進んでいる。視聴率を稼ぎ、ビジネスとして成立させるためにエンターテイメント性が重視されているんだろうか。CNNも一時ほどの輝きがなくなった。エジプトの情勢を女性キャスターが笑顔で伝えるのだから、どうもチャラいというか、見下しているというか。
アルジャジーラ 報道の戦争すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘い そうした中で気を吐いたのは中東のメディア。カタールアルジャジーラは、オフィスが襲われたり、記者が一時拘束されたりされながらも、テレビ、ウェブ、ツイッターフェイスブックとあらゆるメディアを駆使して24時間報道を続けた。アラブ首長国連邦に本拠を置くアル・アラビーヤは一部、正確さを欠く報道もあり、アルジャジーラの後塵を拝しているようにみえたが、最後の最後で、ムバラク大統領が家族とともにカイロを離れ、保養地のシャルムエルシェイクに逃れたことをスクープして一矢を報いた。どちらのメディアにも、中東の情報は自分たち中東のメディアが発信するのだという気概が感ぜられた。
 一方で、こうした修羅場のなかで冷静な報道をするのは、クールな英国系メディアだった。BBCの情報も速かったし、エコノミスト(Economist)はかなり早い段階から、今回の事件を読み、自分たちの立ち位置を鮮明にしていた*1。こうした記事を読むと、硬派の雑誌が世界中で振るわないなかで、唯一伸びている雑誌であることがわかる。知性の差でもあるだろうし、それ以上に、現地に深く入り込み、情報を持っている感じがする。英国情報部以来の伝統だろうか。ジェームズ・ボンドの国だからなあ。
 今年のダボス会議のテーマは「新しい現実」だったと*2。中身はよく理解していないのだが、このタイトルは絶妙だったかもしれない。米国も、イスラエルも、世界も、一気に動き出した新しい現実への対応を迫られている。
PRESIDENT
/~\Fujisan.co.jpへ

*1:「英Economistの大人の主張――何が起こるにせよエジプトに民主主義を。独裁政治は混乱を招くだけ」- やぶしらず通信 - http://t.co/6PKCDrR

*2:World Economic Forum - Shared Norms for the New Reality => http://t.co/SQ3PMVo

サッカービッグクラブ、Facebookページのファン数ではバルサがトップ。猛追するマンチェスター・U

 先日、世界のサッカークラブ長者番付が出ていたが、それでみると、レアル・マドリードをトップに、バルセロナマンチェスター・ユナイテッドバイエルン・ミュンヘンアーセナルという順番になる。このビッグ5はいずれも、公式ウェブサイトともに公式Facebookページを持っている。で、Facebookで「いいね!」をしたファンの数を見ることができる。フェイスブックには6億人のユーザーがいるというから、その世界でのファン投票。これで見ると、どうなるか。
 今日2011年2月12日の12時過ぎに見たところ、こんな感じ(当然ながら、数字は時々刻々変わっていく。いまアクセスすれば、もっと増えていると思う)。

バルセロナ 909万1886人
マンチェスター・ユナイテッド 908万6659人
レアル・マドリード 869万7967人
アーセナル 404万6691人
バイエルン・ミュンヘン  73万5687人

 トップのバルセロナマンチェスター・ユナイテッドが猛追している。レアル・マドリードは一歩後れをとった感じ。電脳空間での3クラブの激闘だなあ。電脳チャンピオンズリーグといったらいいのだろうか。ちなみに、長友のインテル・ミラノは10万1186人、香川のドルトムントは19万9041人だった。
 この争い、クラブがどれだけFacebookページに熱心に取り組んでいるのかとか、サポーターのお国柄、フェイスブック・ユーザーがどの国に多く分布しているかも関係してくるだろうから、これがそのまま世界での人気指数とは言い切れないだろうが、それでも傾向は読み取れる。リーグでいうとスペインのリーガ・エスパニョーラと英国のプレミアリーググローバル化とデジタル化に熱心で、イタリアのセリエA、ドイツのブンデスリーガはこれからなんだなあ。しかし、バルサは強い。そしてマンチェスター・ユナイテッドが意外と強い。
 各クラブのFacebookページのURLは以下の通り。

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