鉢呂経済産業相が「放射能うつしてやる」...。緊張感がないというか、人格欠落というか...

鉢呂吉雄経済産業相が9日午前の会見で、8日に視察した東京電力福島第1原発の周辺市町村について「“死の町”だった」と発言した。夕方の会見で陳謝したものの、夜になり、視察後に防災服を記者にすりつけ「放射能をうつす」という趣旨の発言をしていたことも発覚。野田佳彦首相は「不穏当」と強い不快感を示したが、野党は一斉に批判。13日召集の臨時国会でいきなり任命責任を追及されるのは必至だ。

 しかし、自民党政権以来の大臣の失言・暴言は民主党になっても止まらない。ちゃらい鳩山・菅政権から、フツーの野田政権になったら、やっぱりフツーじゃなかった。「死の町」発言は、地元の人々に対する配慮を著しく欠くものの、現地を見た衝撃を語った率直な感想がつい口をついて出てしまったものとも解釈できるが(人の気持ちを大切にする政治家としては落第だけど)、「放射能をうつしてやる」という言動に至ってはガキ。それも程度の悪いガキで、放射能汚染が最大の問題になっている中で、こちらのほうがよほどタチが悪い。結局、原発事故も放射能汚染も他人事というのがよくわかる。しかも、原子力産業政策の所管官庁の大臣ですから。国会が始まる前に早くも大臣が飛んでしまうのだろうか。

失言から見た政治家の品格

失言から見た政治家の品格

「放射能つけてやる」の鉢呂経済産業相が「記憶も定かでない」まま辞任

鉢呂吉雄経済産業相は10日夜、野田佳彦首相に辞任の申し出を受理された後、経産省で緊急記者会見した。辞任を決断した理由として、8日に視察した東京電力福島第1原発の周辺地域を「死の町」と表現したことと、視察後に記者に「放射能を付けたぞ」などと述べたとの報道を念頭に「不信を抱かせるような言動があったと捉えられた」点を挙げた。

 「放射能うつしてやる」か「放射能つけてやる」か知らないが、子供が「エンガチョ」で遊ぶように、原子力産業担当の大臣が「放射能」を語った鉢呂氏が辞任。まあ、そこしか落とし所はないだんだろうけど、あまりにも低レベルだから。で、この発言について、鉢呂氏は...

8日夜の都内の議員宿舎での言動には「記憶が定かでなく、何と言ったか分からない。(放射能を)『うつす』『付けた』と発言したという確信はない」と歯切れの悪い説明を繰り返し、涙を拭う場面もあった。

 「泣くな」と言いたいけど...。これじゃ小学生が先生に怒られているのと変わらない(最近は小学生もそう素直ではないかもしれないけど)。経済産業大臣は「泣く人」を選ぶのだろうか。男が泣く時は、それなりにTPOを選んで欲しいけど。これじゃ、あまりにも情けない。それにやったことが子供がやっても怒られる類の話なんだから、さらに情けない。
 しかし、この緊張感の欠落は何なのだろう。安倍内閣農林水産大臣が顔に絆創膏を貼ったあたりから、政治家のフツーでなさが政界のフツーになってしまったのだろうか。もはや一党では人材を賄えず、各党から人を出し合うしかないのだろうか。
時事ドットコム:歯切れ悪いやりとりに終始=辞任理由、曖昧なまま−鉢呂経産相 http://bit.ly/r4Ei3O

職業としての政治 (岩波文庫)

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