梅田望夫「シリコンバレー精神−−グーグルを生むビジネス風土」

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)

シリコンバレーは私をどう変えたか―起業の聖地での知的格闘記 「シリコンバレーは私をどう変えたか」の文庫本化だけど、ただの文庫化ではなくて、「文庫のための長いあとがき」が付いている。「どう変えたか」も読んだが、こちらは1996年から2001年まで、いわば「グーグル革命前夜」のシリコンバレー。ネットバブルの生成から崩壊までの第1次インターネット革命のころがベース。文庫のために書き下ろされた「長いあとがき」では、その後の第2次インターネット革命について触れられている。しかし、この本を読んでいて、改めて、この10年間というのはものすごい変革の10年間だったと痛感する。しかも、それが1期と2期に分けられるぐらい濃い歳月で、しかも、変化は加速している。このすごい時代に生まれてしまったことを喜ぶべきか、悲しむべきか。江戸時代から明治時代に生きた人も同じ気分だったのだろうなあ。旧時代から新時代に向かって随分、血も流れたけど、それがないだけ今度はまだ幸福ということか。