新東京銀行、融資先600社が破綻。累損1000億円超えへ

 東京都が鳴り物入りで設立した新東京銀行が経営難に喘いでいる。朝日のサイトを見ると・・・

東京都が1000億円を出資し、経営難に陥っている新銀行東京について、融資先1万3000社のうち約600社が事実上破綻(はたん)し、計86億円が焦げ付いていることが6日、分かった。返済が滞った債権も約1620件、186億円にのぼる。都は新銀行への400億円追加出資案を都議会に提出しているが、不良債権の実態が明らかになり、議会の審議に影響を与えそうだ。

 延滞も多いし、既に600社が事実上、破綻しているとという。もともと融資を受けにくい中小企業を救うためにできた銀行だから、焦げ付きが多いのは当たり前と当たり前。設立当時でいえば、銀行の貸し渋りの中で、本来、融資を受けられるはずの企業も受けられないから、そこに資金を供給するという目的で作ったのかもしれないが、金融環境はその後、改善し、有望な中小企業に対しては、銀行はカネを出すようになったし、ファンドも出資する。そこから残った案件に融資するわけだから、単純に貸し出しを増やせば、不良債権の山を築くのは自明と重いそうだけど。で、実際、日経の記事を見ると・・・

経営再建中の新銀行東京(東京・千代田、津島隆一代表)の2008年3月期末の累積損失が1016億円に達する見通しであることが6日明らかになった。融資先の中小企業の経営破綻が相次いだため。債権回収が不能になった融資先の1割強が融資開始から半年以内に破綻するなど、ずさんな審査実態も判明した。

 累損は1000億円を超える見通しなんだ。銀行の再建へ、都は400億円の追加融資をする気らしいけど、ビジネスモデル自体が破綻してしまっているわけで、既に審査体制がどうのこうの、という状態ではない感じもするけど。どのような機能を果たす銀行にするのか、というところに立ち戻らないと、400億円も、あっという間に消えてしまうんじゃないだろうか。大体、景気は下降局面に入ろうとしているようだし・・・。