音楽座ミュージカル「七つの人形の恋物語」

 音楽座のミュージカルを見るのは初めて。新作らしいけど、ミュージカルとしては作劇、音楽、振付ともにオーソドックスというか、古典的なミュージカルの作風だった。七つの人形にそれぞれの歌とダンスの見せ場があるのかと思ったら、そうした造りではなかった。
 現代的なミュージカルは主役だけではなく、出演者ひとりひとりの個性を活かした見せ場をつくったりするんだけど、もっとオーソドックスなドラマを目指している風。このあたりで勝負して観客を圧倒してやれ、とばかりに、ショー・ストッパーをつくるみたいな外連味はなかった。真面目なんだなあ、きっと。歌のスペシャリスト、ダンスのスペシャリストを登場させ、おお、人間はこんなに歌え、こんなに踊れるんだあ!という躍動感というか、感動を巻き起こすことは狙っていない風。ドラマを見せたかったんだろうな、きっと。
 原作はポール・ギャリコらしいけど、どこまで翻案されているのかはわからんかった。ギャリコは米国人だけど、こうした欧州っぽい話を書いたりしているのか。正確には欧州を舞台にしつつ、話は日本人っぽい感じもしたけど。
【参考】
・オフィシャルサイト
 http://www.ongakuza-musical.com/about/stage/sevendolls/index.php