銀色のシーズン

私をスキーに連れてって [DVD] スキー青春映画。この手の映画のクラシックといえば、「私をスキーに連れてって」だが、バブル真っ盛りの1987年にできた映画と、格差社会の2008年にできた映画では、青春の風景も変わってくるなあ。スキーのテクニックは格段に向上し、スキー場の設備は田舎でも洗練されたモノに進化しているが、ヒーローはバブル期の商社マンではなく、ニートっぽい。ヒロインも夢見る乙女ではなく、心に傷を持っている。勝負にも恋にも勝って、おしまいなんていう単純な構図では、娯楽映画もつくれない世の中なんだなあ。雪山は美しいし、瑛太も、田中麗奈も良いけど、ハッピーエンドは「勝つ」ことではなく、やり通すことであり、癒しであり、やさしさであり、共感であり、昔に比べると、複雑なドラマにする必要が出てくるんだろうなあ。商品やサービスによって「幸せ」を記号化し、ユーミンの音楽とともに軽快に飛ばした「私をスキーに連れてって」とは違うなあ。で、あっちの映画が好きだったりするんだけど。原田知世も良かったし。