劇団四季「ライオンキング」

ライオン・キング スペシャル・エディション [DVD] 既に日本でも開演10年のミュージカル「ライオンキング」を遅ればせながら見る。オープニングから最後まで面白かった。歌も踊りも良かったが、それ以上に圧倒されたのは、オリジナル版の演出、衣装デザイン、マスク&マペットのデザインを手がけたジュリー・テイモアの独創性だ。見たこともないものを見せるところに、エンターテイメントなり、芸術の神髄があるとすれば、これは、その世界だなあ。動物が登場人物のアニメ映画のミュージカル演劇化を構想し、それをジュリー・テイモアに託したディズニーもすごければ、それに応えたテイモアもすごい。動物のマスクやマペットを動かしたり、草木も人間が演じるのだが、それが自然に見える。ミーアキャットのティモンや王の執事のサイチョウのザズのように、マペットを人間が動かしながら、演技を見ていると、これって文楽みたいだと思ったのだが、実際、テイモアは淡路島で文楽を研究していたことがあるという。このほか、インドネシアの影絵とか、ともかく斬新。第20場の「愛を感じて」で、突如、宙づりの男女が登場するところなど、どこから、こうした発想が出てくるのかと思ってしまう。ブロードウェーでの初演は1998年ということだけど、10年以上を経た今でも初めて見た者は、独創性に圧倒されるなあ。
 今日の出演陣では、呪術師ラフィキ役の金原美喜、父王ムファサの早川正の歌が特に良かった。ふたりとも良い声をしているし、声量もある。ティモン役の中嶋徹も軽妙。シンバは瀧川響、ナラは谷内愛、スカーは道口端之。ともあれ、楽しめました。みんな歌もダンスも良い。四季はレベルが高いなあ。
オフィシャルサイト
 http://www.shiki.gr.jp/applause/lionking/
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