イーグル・アイ

 シャイア・ラブーフ主演のSFアクション映画。巨大な陰謀に平凡な主人公が巻き込まれるというタイプのジェットコースター・ムービー。アクションが派手で思わず最後まで見てしまうような映画(以下、ネタバレあり)
 政府内の狂信的グループが犯人かと思ったら、コンピューターが悪役。このあたりは現代風。国防総省のシステムが治安対策ということで、電話、メールからブログ、SNSにいたるまでネットを飛び交う個人情報を収集・分析する一方、街中にある監視カメラで個人の行動も監視し、個人の心理・性格を解析、行動を予測する。目的は違うけど、これなんか現実にフェースブックやグーグルがやりたいことかもしれない。ロボット兵器も登場し、主人公たちを追跡し、攻撃するなど、どれも現実に起こりうることという印象を与え、リアル。
 いろいろな映画の影響が感じられる映画でもあった。主人公がワケのわからないまま、次から次へと危機に陥るのは、マイケル・ダグラス主演、デビッド・フィンチャー監督の「ゲーム」を思い出した。暴走するコンピューターは、スタンリー・キューブリックの「2001年 宇宙の旅」のHALの目と「アイ、ロボット」の丸いシャンデリアのようなコンピューターが融合したようなデザインだった。
 ヒロインは、ミシェル・モナハン。米国中西部っぽい感じの人(独断的印象だけど)。刑事役で、ビリー・ボブ・ソーントンが出ていた。好きな役者さん。女性捜査官は「シン・シティ」が印象的だったロザリオ・ドーン。
 ラストはいかにも米国映画風。普通、あのラストだと、主人公は死んでいるでしょ。しかし、それがボーイ・ミーツ・ガール風のハッピーエンド風のエピローグで幕切れというのは、米国の観客は納得しないんだろうな。フランスとかイギリスとか欧州系の映画だと、主人公が死ぬばかりか、最後は事件の真相まで政府が隠蔽してしまうんだろうけど。
ゲーム [DVD] 2001年宇宙の旅 [DVD] アイ,ロボット [DVD]