Letts Diary 11Z---アーティストがコラージュしたくなる大判日記帳

 日記帳に写真からチケットから新聞・雑誌から何でも切り貼りして、さらにメモやらイラストやら書き込む。まるでコラージュのように日記を創っていくという方法は、ピーター・ビアードの「Diary」という本を読んで魅せられた。そこで利用されていたのが、レッツ・ダイアリー(Letts Diary)のA4版という大型日記帳だった。この日記帳、作りがいいこともあって、日記帳としては、かなり高めなのだが、一時期、真似をして、スクラップみたいに日記を書いていた時期がある。1日1ページがA4と広いので、かなり、いろいろな貼り方ができ、ちょっとアーティスト気分になれる。
 ピーター・ビアードの「Diary」は既に絶版になってしまったようだ。残念。

Diary

Diary

 でも、洋書では、美術出版で有名なTaschen(タッシェン)がピーター・ビアードの作品集「Peter Beard」を出している。ここに有名なコラージュ日記も収録されているようだ。
Peter Beard

Peter Beard

 レッツのA4サイズの大きな日記帳はアーティストはお気に入りのようで、横尾忠則写真日記「Photo Photo Everyday」もベースとなっているのは、Lettsの1996年のダイアリーだ。ほとんどが日々会った人々の写真日記だが、ところどころにイラストが混じったところもある。コラージュの達人でもあるアーティストだけに、この本も楽しい。
Photo Photo Everyday

Photo Photo Everyday

 写真と文章を組み合わせた日記は21世紀に入ると、ブログやSNSの世界に吸収されていったのだろうか。ビアードの日記も、横尾忠則の日記も20世紀の産物。でも手作り的な面白さというのはなくならないから、こうしたコラージュ日記を楽しむアーティストはまだいるんだろうな。イラストとか、手書き文字が創り出す味わい、面白さは不滅だから、デジタル化が進めば進むほど、こうしたコラージュ日記を楽しむ人も増えてくるかもしれない。
 で、最後に、もう一つ日記帳を利用した写真集としては、こんな本もある。
Sante D'orazio: A Private View

Sante D'orazio: A Private View

サンテ・ドラジオ(Sante D'orazio)というカメラマンの写真日記「a private view」。ファッション・カメラマンなので、スーパーモデルっぽい女性の写真が日記帳の上に踊る。ただ、この1990年の日記帳は、レッツかどうかは、わからなかった。
 こうして見ると、アーティストの中でもカメラマンが大判日記帳をつかった写真コラージュが好きなんだな。
★Letts Diary 11z
 http://www.letts.co.uk/search/?search=11z
 http://www.letts.co.uk/store/SEURLF/ASP/SFS/RID.304/SFE/Diaries.htm