ワールドカップ候補地の評価報告に見る日本の問題ーー日本はコスト音痴?

日本は社会インフラのほか、02年W杯やクラブW杯の運営を成功と認められた。ただし、スタジアムについては、将来のW杯に求められる規模や質が満たせるか特別な注意が必要とされた。また、欧州との時差からテレビ放映権料を中心とした商業収入は減る恐れを指摘され、政府保証も十分でないとされた。日本の最新技術を駆使した「次世代W杯」構想については記載はあったものの評価はなかった。大会予算の見積もりは8億4340万ドル(約700億円)で18年大会も含め9候補中最大。

 朝日に、2022年ワールドカップ9候補地についてFIFAがまとめた調査報告書の記事が出ていた。上は、その日本に関する部分。時差は仕方がない。政府保証も現在の財政事情を考えれば、致し方ないかもしれない。スタジアムは「特別な注意」をすればいい。気になったのは最後の部分。予算見積が「18年大会も含め9候補中最大」。商業収入の問題を抱えているのに、コストが最大って何なのだろう。自慢の「次世代W杯」構想は「日本の最新技術を駆使」しているのかもしれないけど、コスト的に過大、オーバースペックということだろうか。それとも人件費の問題か。
 こんなところにもハコモノ主義的発想が出てしまったのか、コスト度外視のお役所主義発想が露呈したのか。円高のためにドルベースにすると数字が膨らんでしまったのだったとしても、それを克服した国際競争力をもったコストにするのがマネジメントだが、とすると、経営力自体が世界の中で貧弱だったのか。何だか、日本の政治、経済、社会が抱える問題を象徴しているような...。