菅・第2次改造菅内閣が発足。与謝野氏の内閣入りで財務省主導の増税路線へ前進?

枝野幸男官房長官は14日午後、菅再改造内閣の閣僚名簿を発表した。与謝野馨氏を経済財政担当相に起用し、海江田万里経財相は経済産業相大畠章宏経産相国土交通相にそれぞれ横滑りする。法相に江田五月参院議長、国家公安・公務員改革担当相に中野寛成衆院副議長を充てるほか、官房副長官藤井裕久財務相が就く。

 これが菅首相が言う「最強の態勢」かあ。財務省が求める増税へ向けての「最強の態勢」だろうか。菅首相にしろ、鳩山首相であったにしろ、いずれ与謝野氏が合流して財務省主導の財政再建増税へ進むという読み筋は以前からメディアで書かれていたが、そのとおりになってしまった。でも、これで内閣が持つのだろうか。あやういような...。財政や税制を考えれば、消費税引き上げはやむを得ないが、「公」ではなくて「官」の意識の行政が効率性を求められることもなく放置され、政治家は利権誘導で官僚と共生し、その一方で成長戦略もないという状況での増税では、どんどん泥沼にはまっていくような...。どんな国するのか、それぞれがどのように痛みを分かち合うのか、そのあたりの思想もないまま、理念なき増税に走ったのでは結局、国民的合意が得られないまま、時間が空費されていくような気もするのだが...。
 で、内閣の顔ぶれは...

第2次改造内閣の顔ぶれは次の通り。
 ▽菅直人首相 ▽片山善博総務・地域主権相(留任、民間) ▽江田五月法相(新任、参院)▽前原誠司外相(留任)▽野田佳彦財務相(留任)▽高木義明文部科学相(留任)▽細川律夫厚生労働相(留任)▽鹿野道彦農相(留任)▽海江田万里経済産業相(ポスト変更)▽大畠章宏国土交通相(ポスト変更)▽松本龍環境・防災担当相(留任)▽北沢俊美防衛相(参院、留任)▽枝野幸男官房長官・沖縄北方担当相(新任)▽中野寛成国家公安委員長・拉致担当・公務員改革担当相(新任)▽自見庄三郎郵政・金融担当相(国民新党、留任)▽与謝野馨経済財政・税と社会保障担当相(無所属、新任)▽玄葉光一郎国家戦略・科学技術担当相(留任)▽蓮舫行政刷新・消費者・食品安全担当相(参院、留任)▽藤井裕久官房副長官(新任)

 改めて見ても、どこが「最強の態勢」なのか、よくわからない。菅内閣は草冠がとれた「官内閣」になっていくんだろうか。菅内閣が持たないからといって、次の答えが小沢一郎への回帰でも、自民党への回帰でもないところが難しいところ。政党が乱立し、ころころと内閣が変わった一時期のイタリアみたいになっていくのだろうか。イタリア人のように明るく逞しく生きていくしかないのかも。それで最近、NHKBS-hiはイタリア特集を連日、流しているんだろうか。時代を先取りしている?
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