日本郵便、非正規から正規に6503人のあと、新規採用を凍結して今度は雇い止め2000人?

日本郵政グループの郵便事業会社(日本郵便)が、3月末で契約が切れる非正規社員の一部を対象に、契約を更新しない「雇い止め」を実施することが12日、明らかになった。15万人超の非正規社員のうち、2000人程度を削減する見通しだ。日本郵便は2011年3月期に1050億円の営業損失を計上する見込み。12年度の黒字化を目指しており、経費の7割を占める人件費の圧縮が避けられないと判断した。非正規社員に対しては、今月上旬から希望退職の募集を始めている。

 「経費の7割を占める人件費の圧縮が避けられないと判断した」というが、だとすると、正規社員から非正規社員に転換したのはなぜだったのだろう。2010年11月10日発表の以下のプレスリリースを見ると、日本郵便(曜日ん事業会社)の非正規社員から正規社員への採用試験には、2万8617人が応募し、6503人が合格。つまり、6503人を正規社員化したということ。
 非正規社員から正社員への登用にかかる最終合格者数について - 日本郵政 => http://t.co/bUbE5fr
 この資料には以下のような補足説明がついている。

・不合格者のうち、希望者に対し、再度の登用選考に向けて研修(集合研修、通信教育講座等)を行う。
・月給制契約社員について、一定の要件(勤続年数、勤務成績)を満たす者を対象として、来年春頃に正社員登用選考を行う。

 しかし、今年2011年1月11日には、こんな発表...

郵便事業株式会社(東京都千代田区代表取締役社長 鍋倉眞一)は、2012 年度新卒者(2011年 4 月〜2012 年 3 月卒業予定者)の全職種(総合職・一般職)の採用を中止することを決定いたしましたので、お知らせいたします。
2012年度新卒者採用について => http://t.co/XdGr8kR

 そして2月に入ったら、雇い止めの報道。半年も立たないうちに、人事政策があっちに行ったり、こっちに行ったり。どのような雇用形態で、どのような経営をするのか、きちんとしたビジョンがあるのだろうか。非正規雇用は事業の繁閑に合わせて調整する部分もあるので、その人数を調整することはあるのだろうが、人件費の問題はいま始まった問題ではないし、経営が存在しないように見えてしまう。
 非正規社員に正規社員の道を開いておくことは経営上、当然の話。やる気があって、仕事に熟知した社員に定着してもらうことは人事の鉄則。同様に新卒に対しても道を開き、絶えず新し血を入れていかなければ、ビジネスは沈滞してく。いっそのこと、この機会に非正規、新卒・既卒区別なく通年採用する会社にするとか、「一発勝負社会」といわれる日本の企業社会を変えるきっかけにすればいいのに(採用人数はきわめて少ないだろうが)。民主党同様、雇用が大切だといわれれば雇用、赤字がダメだといわれれば値上げだ人切りだと、その場その場の批判に対応しているだけに見えてしまう。結局、会社ゴッコをしているお役所なんだろうか。
【やぶしらず通信・関連ログ】
日本郵政はコスト削減よりも値上げを考える。価格は「コスト+利潤」? => http://t.co/5aU1GAI

日本郵政 解き放たれた「巨人」

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