エジプト余波、バーレーン、リビアはデモ隊武力制圧で死者。エコノミストの靴投げ指数が気になる

バーレーンの首都マナマで18日、治安部隊がイスラムシーア派の反政府デモ隊を銃撃、武力鎮圧に乗り出した。ロイター通信によると、少なくとも66人が負傷した。4人が死亡したとの情報もある。バーレーン情勢はさらに緊迫化しそうだ。リビアでは全土で数万人がデモに加わっていると伝えられ、騒乱状態が深刻さを増している。最高指導者カダフィ大佐は1969年の無血クーデターで権力を掌握して以来、最大の危機に直面している。

 チュニジアジャスミン革命に始まり、エジプトのロゼッタ革命につながった中東の民主化のうねり。近隣諸国に広がっているが、他国は武力鎮圧に傾いている。各国でデモ隊に死者。ここ数日、混乱が目立つのは、バーレーンリビアという対照的な2カ国。バーレーンは昔から西寄りの国で、米国や英国に基地もあり、米国・英国の中東における軍事・情報拠点として知られていた(昔、米国のテレビ局がレポートしていた)。一方、リビアはテロ組織のサポーターとしても、たびたび名が挙がる反米国家。長期政権・独裁政権に対する反発が親米・反米どちらのサイドでも噴き上がってきた。しかし、今は力で制圧できても、長続きはしないような...。
世界の「独裁国家」がよくわかる本 (PHP文庫) リビアは中東というよりも、北アフリカの国。今回、騒乱が発生している地域、金融マーケットの世界では、 BRICsに次ぐ新興成長国群としてMENA(ミーナ:Middle East North Africa=中東・北アフリカ)などというチャーミングなネーミングもあった。MENAを投資対象としていることを売り物としている投信もあったが、いまはどうなっているのだろう。長期的には成長を秘めている地域であることに変わりはないだろうが、短期的、また個別の投資先にはいろいろとありそうな...。
 英エコノミスト誌は、中東・北アフリカアラブ諸国17カ国について、政権の不安程度を指標化した「The shoe-thrower's index」をつくった。靴投げ指数。ブッシュ大統領も中東の記者に靴を投げつけられたことがあるが、中東では権力者に対する反対の意思表示として靴を投げつける。そこで、こんなタイトルになっているわけだが、これを見ると、リビアは17カ国中イエメンに次いで2位。危ない要素はあったわけだ。ただ、バーレーンは下から5番目。このあたりを見ても、バーレーンで死者も出る騒乱になったことには意外感がある。エコノミストの指標には宗派対立の要素は加味されていないみたいので、そのあたりの問題なのだろうか。ちなみにエジプトは3位、チュニジアは11位。トップはイエメン。
★The shoe-thrower's index: Where is the next upheaval? | The Economist => http://t.co/oe0Cx0O
★グーグルで「MENA 投信」を検索すると => google:MENA 投信

ペルシア湾の真珠―近代バーレーンの人と文化

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南地中海の新星リビア―高まる日本への期待

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