東日本大震災後の不安な時代、気分はハンバーガーよりも牛丼なのだろうか

 ファーストフード系の3月の売り上げが出てきた。東日本大震災の後、計画停電もあり、どうかと思ったら、日本マクドナルドは、こんな結果...

 日本マクドナルドホールディングスは8日、3月の既存店売上高が前年比7.3%減になったと発表した。東日本大震災により264店舗が休業したため。売上高が前年を下回ったのは10年11月以来4カ月ぶり。減少幅はヒット商品のあった前年の反動で6.6%減となった09年11月以来の大きさ。

 そうだろうなあ。いろいろな面で営業活動にも支障があっただろうし、やっぱり売り上げは減るだろうなあ。ところが、牛丼チェーンの結果を見ると...

吉野家ホールディングス <9861> 】は2011年4月6日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2011年3月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でプラス0.8%となった。牛丼御三家のうち【松屋フーズ <9887> 】が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年3月における売上前年同月比がプラス7.5%、【ゼンショー <7550> 】が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」がプラス7.0%だった(いずれも既存店ベース)のと比べると、大人しい結果と言える。

 意外や意外、既存店ベースで増収を保っている。松屋すき家に比べて、吉野家の伸びが低いのは、このところ続いている傾向で、経営の差ともいえそうだが、ともあれ、吉野家も含めて、みんな増えているところがすごい。こうした不安な時代には、バーガーよりも牛丼。洋食より和食。パンよりゴハンという気分になるのだろうか。そういえば、染川藍泉『震災日誌』に収録されている成田龍一の解説でも、関東大震災でも「いちやはく野天にすいとん屋、ゆであずき屋、牛丼屋があれわれ」という一節がある。あの頃から、こういうときに日本人は牛丼なんだろうか。

「牛丼」の謎―吉野家・松屋・すき屋のトリビア満載!!

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