富者と貧者を分かつものは...。勤勉・努力ではなく、生まれた国と親というデータが...

世界銀行エコノミスト、ブランコ・ミラノビッチ氏の著書、「The Haves and the Have-Nots: A Brief and Idiosyncratic History ofGlobal Inequality」は、生まれた場所が生涯収入を決める要因の60%超を占めると説く。豊かな国に生まれるとまず地域の優位さが得られる。次に、豊かな両親の下に生まれることが20%を左右するという。では残りの20%を努力が占めるのかというと、そうではない。生まれた国と両親に加えて、性別や運など、個人の力の及ばない要因がほかにもあるという。

 何だか、身も蓋もないような調査結果。世銀のエコノミストの調査によると、持てる者と持たざる者を分けるのは、生まれた国が豊かな良い国かどうかと、親がリッチかどうかということらしい。どういう調査対象で、どういう方法で調べたのか、わからないが、世界をひとつにくくって比較したら、国のところで差がついてしまうのは当然とも思える。やはり国別とか、あるいは収入なり財産の変化率とか、自分自身の幸福感とかも合わせて調べないと、わからないかもしれない。個人の努力が生きるシステムの国と、階層化した社会とか、それを抑制する国もあるだろうし...。見出しに惹かれたが、ちょっと乱暴な議論のような気もする。あるいは、そうした個人の努力が生きない社会を批判することを意図しているのだろうか。

The Haves and the Have-Nots: A Brief and Idiosyncratic History of Global Inequality

The Haves and the Have-Nots: A Brief and Idiosyncratic History of Global Inequality