ようやく出てきた「一律節電目標」批判。マクドナルドの原田社長がまずは一言

日本マクドナルドホールディングス原田泳幸会長兼社長は27日の記者会見で、政府が夏の節電目標を、大口、小口、家庭の各契約者で昨年より一律15%減とする方向で検討に入ったことについて「私どもの15%と、ほかの小売店の15%では全く負荷が違う」と批判した。原田社長は、店舗で調理するマクドナルドと、商品の陳列や販売が中心のコンビニエンスストアでは業務モデルが異なると指摘し、「あまり乱暴な一律何%となると、売り上げを犠牲にし、さらに節電しないといけないというプレッシャーに立たされる」とした。

 企業でも政府でも、経費節減となると、出てくるのは「一律カット」。みんなに平等のように見えて、実は責任を回避しているだけ。優先順位を決められないうえに、自信がなく、各部門から出てくる批判が怖いから、決断できない。そこで「みんなで我慢しましょう」の一律カットになる。決断できない経営の象徴が一律主義。重要な仕事も、そうでない仕事も、既に経費カットを進めていたところも、そうでないところも無視。むしろ、グズグズに緩い管理をしてきたところが得になる。真面目に頑張っていたところは、絞りきったところをさらに絞れ、といじめられる。追い詰められたダメな会社でよく見る風景。
 それだけに、ちゃんとした経営を進めてきた会社の経営者から、政府の一律節電目標にも苦言が出てくると思ったら、やはり出てきた。確かにビジネスによって電力が事業に占める重みも違うし、省力化の進展具合も各社異なる。経済や生活に対する産業の重要度も違う。英エコノミストなど、日本が電力危機になると言ったって、温水トイレやパチンコに多大な電力を浪費していて、どこが危機なの?という皮肉たっぷりの記事を書いている。
 電力を一律に落とすということは、経済活動を犠牲にするということにもなりかねないのに、世の中の風潮が「欲しがりません、復興するまでは」だから、経団連産業報国会みたいになって、25%カットを競いあって忠誠を尽くしている感じがする。今回の発言、コンビニよりハンバーガーはエライのか、とか批判も浴びそうだけど、空気に流されずに、一律主義を批判した原田社長はエライなあ。誰かが問題提起しないと。経済が元気でなければ、東日本の復興も進まない。優先順位も決められない一律削減主義では日本総沈みリスクが出てきてしまう。
★Japan's energy crisis: What crisis? | The Economist => http://econ.st/iNIbVn

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