トニー賞、最優秀作品賞はミュージカルが「ブック・オブ・モルモン」、ドラマが「ウォー・ホース」。どっちも面白そう

米演劇界で最高の栄誉とされる第65回トニー賞の授賞式が12日、ニューヨークのビーコンシアターで行われ、ミュージカル部門では最多13部門で14ノミネートの「ブック・オブ・モルモン」が最優秀作品賞を含む9部門で受賞した。同作品は、ウガンダに派遣されたモルモン教の若い宣教師ふたりを描いた喜劇作品。米人気風刺アニメ「サウスパーク」の制作者、トレイ・パーカー氏とマット・ストーン氏が手掛けた。

サウスパーク[DVD] VOL.1 The Book of Mormon (Original Broadway Cast Recording) 昨日、NHKのBSでトニー賞の授賞式を中継していた。司会のニール・パトリック・スミスと「X-メン」のウルヴァリンにしてミュージカルスターのヒュー・ジャックマンの“歌とダンス対決”とか見せ場があったが、何よりも興味を惹かれたのはミュージカルとドラマの最優秀作品。「ブック・オブ・モルモン」は「サウスパーク」の製作者がつくったとあって、かなり変わったブラックユーモア満載のミュージカルという感じ。候補作品の見せ場が紹介されるのだが、これを見ているだけでも、その一端が伺えた。ウガンダに覇権されるといっても、そこのネイティブは、AK47を抱えたような人たちだった。
War Horse 一方、ウォー・ホースは、戦場に駆り出された馬の物語らしいのだが、この馬がつくりものながら、本物そっくりの微妙な動きをする。ジュリー・テイモアが創造した「ライオンキング」の動物たちもすごかったが、あれとは違って、もっとリアル。不思議な舞台。この馬に負けないストーリーを持った作品かどうかが勝負なのだろうが、ドラマの最優秀賞をとったということは、ドラマとしても、しっかいしていたのだろう。
 今回の候補者には、映画のスターも多かった。ドラマの主演男優賞候補だったアル・パチーノは受賞を逸し、「ファーゴ」でお馴染みのフランシス・マクドーマンドは反対に主演女優賞(ドラマ)を余裕でゲットしていた。デニム地のジャケットが、ゴージャスな衣装の俳優たちの浮きまくっていたが、それも、この人らしいところかもしれない。ミュージカル部門の主演女優賞をとったサットン・フォスターがニコール・キッドマン風の美人で、ミュージカルスターらしいゴージャスな人だったから、対照的だった。このほか、エレン・バーキンがドラマ部門の助演女優賞をとっていた。「ブック・オブ・モルモン」で助演女優賞をとったニッキ・M・ジェイムズは可愛い人だった。
How to Succeed in Business Without Really Trying, The Musical Comedy で、へえ、と思ったのは、「ハリー・ポッター」のラドクリフ君はいま、ミュージカル「努力しないで出世する方法」の主演で歌ったり、踊ったりしているのだ。「ダメージ」のトム・シェイズ役のテイト・ドノヴァンは、フランシス・マクドーマンドの相手役だった。さらに、「スパイダーマン」は数々のトラブルで初演が遅れに遅れ、ついにジュリー・テイモアは演出から降りていたのだ。知らなかった。
 この放送、週末にBSで字幕付きで再放送するらしい。同時通訳は時々、出演者たちの話についていけなくて、通訳しないまま、放置という場面も何度かあったから、今度は字幕で、ちょいと見てみたい。
トニー賞公式サイト => http://www.tonyawards.com/
★「ブック・オブ・モルモン」公式サイト => http://www.bookofmormonbroadway.com/
★「ウォー・ホース」公式サイト => http://www.warhorseonbroadway.com/

ベスト・オブ・ブロードウェイ

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