菅首相が広島原爆忌のあいさつで「原発に依存しない社会を目指していく」

菅直人首相は6日午前、広島市で開かれた原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)であいさつし、今後のエネルギー政策について「原発への依存度を引き下げ、『原発に依存しない社会』を目指していく」と、改めて表明した。犠牲者の追悼が目的の式典でエネルギー政策に触れるのは異例。深刻な放射能漏れを起こした福島第1原発事故を受け、首相の強い意向で盛り込んだ。

 菅首相は8月6日の広島原爆忌脱原発の大演説をぶって、原発依存の是非を争点に総選挙に打って出る−−という噂があったが、静かなあいさつだった。原子力政策に言及するのは異例かもしれないが、この時節柄、それほど不自然でもない。それほど強い調子でなかったのは、原発総選挙という妄想は払拭できたからなのだろうか。まあ、言葉よりも、どのように具体的に進めていくのかが問題なのだけど。震災の復旧、欧米の財政問題に端を発した経済危機、中国・北朝鮮・ロシア、そして韓国との関係、日本自体の財政問題など難問が山積している中、小泉首相の郵政総選挙のような単純な構図で選挙をすることは無理だと思うけど。個人的な人気も、菅首相小泉首相では全く違うし...。そうした当たり前のことに気がついたのだろうか。

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