地上波テレビの落日で、テレビは有料で見るしかないのかも。で、ニュースでは、この3つ

 地デジで新しいテレビの時代の幕開けになるはずが、週刊誌が「テレビよ、さらば」という特集を組んだり、フジテレビは韓流寄りと騒動になったり、地上波テレビはいっこうに盛り上がらない。それどころか、知り合いからは、地デジを機会にテレビを見るのをやめたとかいった声も聞こえてくる。
2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書) まあ、それもわかる。ともあれ、貧すれば鈍するというか、メディア不況の影響でともかく稼げなければいけないのか、最近は、普通のコンテンツの中にどんどん宣伝が入ってきている。データ主義の悪しきマーケティング志向か、出てくる人も同じ顔ぶればかり。データ上、視聴率が確保できるという言い訳が重要なのだろうなあ。ニュースにしても、ワンパターンというか何というか...。コスト削減か、海外取材はアジアでさえ、あまり熱心でないようにみえるが(中国や北朝鮮の批判となると、視聴率がとれるのか、熱心だが、中東、アフリカは遠い国)
 とテレビに文句ばかりをいっても仕方がないし、悪いものばかりでもない。もともとテレビを無料で見ようと言うところに無理があったのかもしれない。地デジ・アンテナは立てなくてもいいけど、BS/CSアンテナのお皿はしっかり用意しておいたほうが良い。で、どんなチャンネルがいいか。
 NHKは...。これもダメ。BSは3チャンネルから2チャンネルになって、コスト削減が進んだというか。NHKには効率的になったかもしれないが、視聴者にとって3チャンネル時代以上のメリットがあるかというと、ない...。ニュースにしても、ダイジェストが見ることが出来るぐらいで、独自の取材網を駆使して、CNNやBBCや、アルジャジーラCCTV中国中央電視台)と並ぶ世界のニュース・メディアになるのだ!...という気概は画面からは伝わってこない。ドキュメンタリーでは頑張っていても、即時性で世界と張り合うという気概は感じられない。
 ということで、ニュース・チャンネルでいうと...。
CNN世界を変えたニュースネットワーク やはり、まずは米国のCNN。CSの「スカパー」やCATVで提供されている。昔に比べると、バラエティ化している感じもするが、それでも世界のどこで事件が起きても、現地からレポートしようとする気概は健在。加えて、現在の経済激震の震源地のひとつは米国だし、来年は大統領選がある。となると、CNNのニュースはカネを出すだけの価値がある。スカパーの場合、基本料が月410円で、CNN単独で945円。スカパーe2の基本パック(3570円)の中には、CNNが入っている。
★CNN(国際版) => http://edition.cnn.com/
★CNN(日本語) => http://www.cnn.co.jp/
公共放送BBCの研究 続いて、欧州の代表は、英国のBBC。こちらもアングロサクソンのメディアとはいえるのだが、やはり国際的な取材網は充実しているし、米国よりも冷めているところがある。欧州の情報に強いのは当然として、かつて植民地支配した大英帝国の伝統からか、中東・アフリカ、インド、中国などに強い。また、スポーツニュースでは、英国ということからか、サッカーとクリケットの情報が充実している。BBCは「スカパー」で月945円。CNN同様、基本パックに入っている。また、CNNとは違って、インターネット放送の「ひかりTV」や「auひかりTVサービス」のベーシックチャンネルパックにも組み込まれている。
BBCニュース => http://www.bbc.co.uk/news/
 CNNもBBCも基本的に日本語同時通訳がついており(時間帯によってはない)、世界のニュースを知るのには最適。最近、地上波のテレビニュースはワイドショー化が進み、夕方などグルメ番組か、お買い物番組か、わからないものもあるが、それとは比較ができない。突発事件が起きれば、エジプトでも、ノルウェーでも、現場中継を組む。アジアの報道の拠点は、CNNは香港、BBCシンガポールに置いているようだ。日本からの特派員レポートもあるが、やはり拠点はあちらなのだなあ。
 で、最後に日本のニュース・チャンネルのベストはどこか。昔だったら、NHKだったのだろう。しかし、いまや地上波では視聴者に媚びるようにワイドショー的演出を入れているし(何か街で話題があると、若手のアナウンサーが走って行って解説するワンパターン演出...)、ニュースを寄せ集めて読んだり、翻訳しているだけのBSでえもない(それはそれで落ち着いて、まとまってはいるが、記者の人的支援がない感じ...)。
イマイと申します。―架空請求に挑む、執念の報道記録 そんな中で、ここはいいと思うのは、CSの「日テレNEWS24」。真面目にニュースを伝えようとしている。他のテレビ局のニュース・チャンネルと称するものが、テレビ局や新聞社が抱え込んだ編集委員や、売れない(あるいは少しでも顔を売りたい)評論家やタレントのような人たちを中心としたトーク番組に堕しているなかで、日テレNEWS24はニュースで勝負しようとしているところが好感を持てる。CNNやBBCのように世界にネットワークを張り巡らして、世界中のニュースを自らカバーするというわけではないが、それでも日本の中で頑張っている。地上波のような過剰な演出もなく、落ち着いて見ることができる。昔は「報道のTBS」とか言われた時代があったが、かつては俗悪番組で名を売っていた日テレがいまや報道で頑張っている。不思議といえば不思議...。
 というわけで、日本で、ニュース・チャンネルといえるのは、「日テレNEWS24」だけだと思う。ここは「スカパー」で月420円。CNN、BBCと肩を並べて「スカパーe2」の基本パックに入っている。
日テレNEWS24 => http://www.news24.jp/
 アルジャジーラCCTVはウェブでニュースをウオッチするとして、日本語で分かるという点で、やはり、ニュースは、CNN、BBC日テレNEWS24だなあ。これをスカパー!で単独チャンネル契約すると、合計2720円。新聞の定期購読料よりも断然安い(新聞はほとんどの場合、インターネットで十分)。テレビでは、ニュースがきちんとわかりさえすれば、ほかは要らないというのならば、地デジアンテナも立てず、NHKのBSも見ず、スカパー!で、この3つのニュースチャンネルを見るのがベストだと思う(と言いつつ、個人的には、NHKのBSはサッカーの中継が充実していたり、映画もいいものを流すので捨て切れないのだが...。地上波は捨ててもいいなあ。地上契約抜きの衛星契約ってないのだろうか)。