闘魂・実力派のマー君が強運・優等生の佑ちゃんに勝利

あの夏がよみがえった。楽天田中将大投手(22)と日本ハム斎藤佑樹投手(23)のプロ初の先発対決が実現。06年夏の甲子園決勝で引き分け再試合を演じた2人の“再戦”に、Kスタ宮城は2万人超の満員となった。田中が9回1失点完投で自己最多タイ15勝目を挙げ、チームの連敗を3で止めれば、斎藤は4失点で4敗目を喫したがプロ初の完投。田中は「野球人として幸せ」。斎藤は「これが4年間の差だな」。東日本大震災から半年を迎える杜(もり)の都で、新たな好カードが誕生した。

 当分、この両投手の投げ合いが最も人気の出る野球対決かもしれない。延長戦までもつれ込んだ甲子園の対決の再演。マー君はいまや実績のある投手だが、打って取る佑ちゃんのほうはまだ評価が定まらないところ。しかし、4点は取られたものの、試合を壊さず、8回を投げ抜いたところは立派。甲子園の場合は、弱い方を応援するところがあるので、佑ちゃんがヒーローで、マー君はヒール的な役割だったような感じがするが、プロ野球の大人の世界では、咆哮する闘魂の投手、マー君のほうが受ける。頭が良さ気で、いつも愛想のいい佑ちゃんは、ちょっと官僚タイプに重なって見えてきて、いい子顔ヒールというイメージになってくるような気がする。
田中将大 〜若きエース4年間の成長〜 栄光のマウンド 早実VS駒大苫小牧 はばたけ、佑樹 神宮からプロ野球ヘ 巣立ちゆく息子に贈る母の言葉