真珠湾攻撃から70年。で、真珠湾攻撃で思い出す映画というと...

旧日本軍による真珠湾攻撃から70年に当たる7日、ハワイで式典が行われ、攻撃に応戦した元アメリカ兵らが参加して、犠牲者を追悼しました。

 日本軍の真珠湾攻撃から70年。戦前・戦中世代の日本人にとっては、束の間の栄光の日。米国人にとっては、911と並ぶ屈辱の日であり、復讐を誓った日...ということだろうか。
 そんなこんなで、真珠湾をテーマにした映画をいくつか拾ってみると、まずスペクタルとしては...

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 「アルマゲドン」のジェリー・ブラッカイマーマイケル・ベイの映画だから、けばけばしいというか何というか、ケレン味たっぷりのメロドラマ調アクション映画。SFXも音響効果も盛りだくさん。ベン・アフレックジョシュ・ハートネットケイト・ベッキンセイルの三角関係をバックに、真珠湾攻撃からドゥーリトル爆撃隊による日本初空襲(報復)までを描く。2001年5月の全米公開だから、911(2001年9月11日)の前の映画だったのだなあ。
 で、日米合作というと、こちら...黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて (文春文庫) こちらも古い映画だが、黒澤明監督がハリウッドのスタジオ・システムと衝突して、途中降板した映画としても有名。その顛末だけで1冊の本になっている。映画としてはノルマンディー上陸作戦を描いて世界的な大ヒットとなった「史上最大の作戦」の二匹目のドジョウを狙ったような企画で、敵味方双方の国の監督が、その国のスターを使って描く大作(映画会社は20世紀フォックス)。そこに芸術家肌の監督を持ってきたところに最初から無理があったのだろうなあ。黒澤明は「七人の侍」のようにアクション娯楽大作をつくっているから、映画職人と考えていたのかもしれないが、その職人的こだわりが芸術の域に達し、採算度外視のように見え始めると、ビジネスマンのプロデューサーは耐えられない。ハリウッドの映画ビジネスとは相容れなかったんだろうな。で、後任の監督で映画を仕上げたのは、舛田利雄深作欣二
 最後に、その当時の日本人の気分を反映している日本映画というと、これなんだろうなあ。
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円谷英二の言葉―ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言 (文春文庫) 1942年(昭和17年)12月の公開というから、真珠湾攻撃の1年後、ミッドウェー海戦(42年6月)の後だから、もう空母も失われていたわけだけど、まだ行け行けの余韻が残っている時代だったのだろう(少なくとも無残な敗戦になると予想している人はまだ少数派だっただろう。今になれば、みんな、最初からわかっていたと言うんだけど...)。そんな気分の中での戦意高揚映画。特撮を担当したのは「ゴジラ」や「ウルトラマン」を生んだ、日本特撮界の父、円谷英二。その点でも記念碑的な映画。で、俳優で言うと、藤田進が「トラ・トラ・トラ」と「ハワイ・マレー沖海戦」の両作品に出ている。人に歴史ありだなあ。
 で、真珠湾攻撃を背景にした映画では、こんな名作とか
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 こんなSFもありました。【やぶしらず通信・関連ログ】
・米国では、山本五十六もビンラーディンも同じなんか?(2011年5月5日) => http://bit.ly/k6hMpj
田草川弘黒澤明vsハリウッド」を読んで(2006年10月22日) => http://bit.ly/sNDg4C