石川達夫『プラハ歴史散策』

プラハ歴史散策 (講談社+α新書)

プラハ歴史散策 (講談社+α新書)

 人物と建造物から看たプラハの歴史案内。教科書のような感じ。この本を読むと、チェコはロボットの国なのだな、と思う。「ロボット」という名前を生んだのは、カレル・チャペック。また、人造人間の元祖といわれる「ゴーレム」伝説の主、ラビ・レーフもチェコの人だった。ロボットとチェコは因縁浅からぬものがあるのだな。
 目次で内容を見ると…

第I部 「プラハ歴史劇場」の多彩な登場人物たち
 第1章 プラハに花開いた芸術家・文化人
 第2章 劇的な運命、「プラハ歴史劇場」の主役たち
 第3章 歴史に輝く大学者たち
第II部
 第4章 歴史の始まりーープラハ城とフラッチャヌィ
 第5章 宗教改革の舞台 ーー旧市街とヨゼフォフ
 第6章 壮麗な建物が聳えるーー新市街
 第7章 プラハ城の城下町ーー小地区
 第8章 ヴルタヴァ川の上の要塞ーーヴィシェフラット

 プラハは美しい街らしいが、歴史は欧州らしく、平坦なものではない。プロテステントとカトリックの争いに血塗られた歴史もある。さらにソ連共産党の支配が重なる。そこにも暗黒の歴史がある。美しい街の裏側に、いろいろな歴史があるのだな。何しろカフカが住んだ街だから、不条理な現実があったのだろうなあ。