町田徹『東電国有化の罠』

東電国有化の罠 (ちくま新書)

東電国有化の罠 (ちくま新書)

 東電救済をめぐるルポルタージュ。帯に「組織を守って、国を滅ぼす。」とあるように、経産省財務省、銀行、政治家、東電、財界ーーそれぞれが自らの「正義」と「論理」と「権益」を守ろうとし、時に、自分は正論を言っているのに世の中はわかってくれないと当事者意識そっちのけで被害者意識を撒き散らしつつ、邁進した挙句、最後は国民に膨大な負担を負わせる形で一件落着になってしまっていることを詳細にレポートしていく。正直、官僚も政治家も東電も、あまりの醜さに読んでいて、つらくなる。これは東日本大震災原発事故に関するノンフィクションを読んでいて共通する感覚。
 目次で内容を見ると...

第1章 誰が東電を守ろうとしたのか?
第2章 国民負担のための国有化路線
第3章 電力と国家 混迷の原点
第4章 日本にのしかかる巨大債務

 「失われた20年」はまだまだ続くのではないかと思えてくる。この本については、小飼弾氏がブログで良い書評を書いていた。
★404 Blog Not Found : 組織を守って、国を滅ぼす - 書評 - 東電国有化の罠 => http://bit.ly/MJBEGN