日銀審議委員に野村証券とモルスタMUFG証券のエコノミストの方々が...。何か違うみたいな...

政府は議院運営委員会両院合同代表者会議で、空席となっている日本銀行の審議委員に野村証券木内登英チーフエコノミスト(48)とモルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミスト(50)を起用する人事案を提示した。衆参両院の議院運営委員会での配布資料で分かった。

 うーん。何だか、日銀の政策委員会がテレビの経済トークショーのノリになっていくような...。前任の審議委員は、商船三井の財務経理畑を歩いた中村清次氏と三菱商事亀崎英敏氏。両氏の後任人事ということらしいが、これまで、この日銀審議委員ポストは実業も財務・金融も分かる人が就く2枠で、評論家のポストではないと思うのだけど。証券系エコノミストのふたりというのはどうも...(しかも、野村、三菱って、巨大金融グループ代表みたいな...)。
 日銀の政策委員会に、企業の現場を知り、実業の視点から経済を見る人を入れなくていいのだろうか。景気の気は気分の気ともいえるけど、経営者心理を知る人は不要なんだろうか。政策委員会のメンバーは総裁、副総裁2名、審議委員6人の計9人。いまは欠員2人で7人いるが、出身は日銀2人、学者3人、残りの2人は民間といっても、三井住友銀行東京電力。実業の世界とは違う人たち。これに証券系エコノミスト2人という構成って、いいんだろうか。
★政策委員会 :日本銀行 Bank of Japan => http://bit.ly/MzpKJj
 本当に経済界に人材がいないのだろうか。民主党はどうも、テレビを見て、物事を決めているんじゃないかと思えてしまうところがある。で、お二人は、どんな本を書いているエコノミストの方かと思ったら、アマゾンを検索しても、見つからなかった。佐藤氏は『論争・デフレを超える―31人の提言』 (中公新書ラクレ)の共著者の一人ですが、31分の1ですし、2003年に出たジャーナリステックな新書なので、いまは絶版になっている様子。エコノミストとしての著書と言うには...。

論争・デフレを超える―31人の提言 (中公新書ラクレ)

論争・デフレを超える―31人の提言 (中公新書ラクレ)

 というわけで、ご著書は、おふたりとも、ちょっと...さびしい...。雑誌やレポート中心の方々なのでしょう。国会図書館の資料検索を見ると、論文やら対談やらが引っ掛かります。
★「木内登英」に一致する資料: 検索結果(158件)国立国会図書館サーチ => http://bit.ly/MygYMn
★「佐藤健裕」に一致する資料: 検索結果(14件)国立国会図書館サーチ => http://bit.ly/Myh86k
日銀はだれのものか

日銀はだれのものか

 ※ 中原元審議委員は東燃の元社長、経営者でした。