米大統領選、イデオロギー対決が先鋭化した不毛の選挙になるのかなあ

 クリント・イーストウッドまで登場した米国の共和党大会、ロムニー氏が指名受諾演説をしていたけど、こんな感じ...。

「米国に必要なのは雇用だ。たくさんの雇用なのだ」と強調、エネルギー開発や企業減税を通じて中小企業を支援するなどして、1200万人の雇用を創出すると訴えた。具体的には、石油や原子力を最大限活用し、2020年までにエネルギーの国内自給体制を確立するなど5段階で雇用を創出。法人税減税と規制緩和、財政削減とオバマ大統領が導入した医療保険改革を撤廃するーーなどと道筋を示した。

 雇用が必要なのはわかっているが、それを石油と原発で創りだすのか? で、医療保険改革を撤廃して、減税と規制緩和かあ。保守的な価値観を鮮明に打ち出し、イデオロギー闘争選挙を目指しているのだろうか。米国民のオバマ大統領に対する失望もわかるが、「USA!USA!」という大合唱を聞いていると、なんだか怖くなる。まあ、共和党の大会だから、こうなるのか。それにしても白人色、金持ち色(及び金持ちじゃないんだけど、自分もなれると信じていて、貧困層に厳しい人たち)が極めて濃厚だけど、これで支持が広がるのだろうか。
 こうして見ていると、今回の選挙は、オバマロムニー、どっちが嫌いかというネガティブな争いになるのだろうか。いまの環境では当面、外交面でも経済面でも際立った成果をあげるのは難しいだろうし、選挙屋さんたちも、それがわかっているから、ネガティブ・キャンペーン合戦に走っているんだろうか。何だか不毛な感じがするなあ。しかし、経済がわかっているロムニーさん、バブル崩壊後の経済再建が大変なことはわかっているだろうに、エネルギー開発、減税、規制緩和で雇用を回復できるという自信があるんだろうか。企業の業績は回復しても、雇用が回復するかどうかはわからない気がするけど...。もうティーパーティなど党内右派を取り込むことに夢中で、いまはともあれ言ってみただけ、すべては政権をとってからと思っているんだろうか。
ミット・ロムニー - Wikipedia => http://bit.ly/O80Qna
★共和・ロムニー氏、「日本」言及この1か所だけ : YOMIURI ONLINE => http://bit.ly/O80MUw

Mitt Romney: An Inside Look at the Man and His Politics

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