パナソニックも、シャープもボロボロの巨額赤字。2社だけで今期の最終赤字は1兆円越え

 決算発表シーズンだが、昨日はパナソニックがこんな発表...

パナソニックは31日、2013年3月期の当期純損益が7650億円の赤字になる見通しだと発表した。電池や携帯電話事業などで多額の事業構造改革費用を計上するほか、繰り延べ税金資産の取り崩しなどにより、当初の500億円の黒字予想から一転。過去最大の赤字を計上した前期に続き、巨額損失を計上する見通しだ。中間、期末配当とも見送り1950年以来の無配転落となる。

 7650億円...。ちょっと想像もできないなあ。事業構造改革もあるけど、繰延税金資産の取り崩しが効いていそうだなあ。
★2012年度 第2四半期 連結決算概要 | パナソニック企業情報 => http://bit.ly/RudrkV
 一方、今日はシャープが…

シャープは1日、2013年3月期の連結最終損益が4500億円の赤字(前期は3760億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想である2500億円の赤字から赤字幅が大幅に拡大し、2期連続で過去最大の赤字を更新する。主力の海外のテレビ事業が不振で、構造改革費用の追加計上などが響く。連結売上高は前期比微増の2兆4600億円(従来予想は2兆5000億円)、連結営業損益は1550億円の赤字(同1000億円の赤字)を見込む。

 うーん。すごい。要するに、今期の最終損益が、パナソニックが7650億円の赤字で、シャープが4500億円の赤字。この2社だけで1兆円を超えてしまうわけね。
★シャープ・平成25年3月期 第2四半期決算短信 => http://bit.ly/SyMOPd
 一方、ソニーは...。

ソニーが1日発表した4-9月期の連結決算(米国会計基準)は最終損益が401億円の赤字(前年同期は424億円の赤字)だった。テレビなどエレクトロニクス部門の不振が続いたうえ、円高も響いた。同時に発表した2013年3月期の連結業績予想は、売上高を前期比2%増の6兆6000億円と従来予想から2000億円下方修正した。営業損益は1300億円の黒字(前期は672億円の赤字)、最終損益は200億円の黒字(同4566億円の赤字)と従来予想を据え置いた。

 4−9月期で401億円の赤字で、今期通期で200億円の赤字ということは、これから半年で600億円の黒字を出すという話。4−9月を四半期に分解すると、赤字幅は縮小しているものの、7−9月期でも100億円を超える赤字。200億円の黒字を出せるんだろうか。営業利益段階で最も利益が大きかったのは金融で、続いてデバイス、そして音楽・映画という感じだったけど、大丈夫なのかなあ。エレクトロニクス産業としての回復度はまだ不透明だなあ。
 いずれにせよ、日本エレクトロニクス産業の落日だなあ。円高もあるだろうけど、デジタル化、ネットワーク化、モバイル化が進むなかで、どこかで戦略を間違えたのだなあ。アップルやサムスンは好業績を謳歌しているわけだから。
ソニー・平成25年3月期 第2四半期決算短信 => http://bit.ly/RucMQo
週刊 東洋経済 2012年 5/19号 [雑誌] ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント パナソニックはサムスンに勝てるか