田中文科相が「おわび」したのだとか...。大学の問題って「規制」で解決する?

田中文科相は、混乱を招いたことを聞かれ「認可制度の有りようを見直したいと大臣になる前から意識を持っていたが、結果として3大学の設置認可に関して関係者のみなさまにご心配、ご迷惑をおかけしましたことについて心からおわび申し上げます」と述べ、頭を下げた。一方で「(既存の)大学の不祥事が多く、予備軍になってはいけないという心配もあった。規制緩和でどんどん問題が起こっており、認可制度をこのまま続けていいかとの思いが強かった」とも説明した。

 意外と打たれ弱いというか、結局、何も考えずに話していたのね、という感じ。ゴタゴタの末、大学が増えすぎたのが問題で、それは規制を緩和したから、という印象だけが残るのだろうか。でも、本当はどうなんだろう。実際には、大学設置にしても、学部新設にしても、文科省は相当細かく指導をしているけど(指導という名の命令みたいにも見えるけど、従わなかったら、認可しないから)。それも結構、形式的な話があったりするような話を聞いたりもする。文部科学省が大学を手とり足とり指導すれば、大学は良くなるんだろうか?
 むしろ、こっちの考えのほうが...

新党・日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は6日、「行政が大学の需給調整をするのではなく、大学間で切磋琢磨させるべきだ。大学が倒れないように(不認可で)国が保護するのは学生のためにならない」と述べ、田中文科相の対応を批判した。

 結局、大学の質が低下すれば、最終的に学生が集まらなくなるわけで、官が口出しするのも、どうなんだろう。大学や学部の新設は、学生のニーズに応えようという大学側の企業努力でもあるわけだし。まあ、大学を格付けして補助金に差をつけるとか、むしろ、補助金は大学に渡すのではなく、学生に直接渡すようにするとか、仕組みを変える手もあるのかも。
 まあ、今の日本の大学、ちまちまと国内で競争するよりも、世界で競争しなければいけないんだけど。せめて、アジアの学生たちを惹きつける大学でないとねえ。

大学とは何か (岩波新書)

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