イタリアの「スーパーマリオ」が首相を辞任
イタリアのモンティ首相は21日、ナポリターノ大統領に辞表を提出し、正式に辞任した。大統領は近く上下両院を解散。総選挙は来年2月にも実施される見通し。今後は選挙後に誕生する次期政権がモンティ政権が進めた改革路線を継承できるかが焦点となる。
政治経済の世界で、イタリアのスーパーマリオといえば、マリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁と、首相のマリオ・モンティ。ふたりとも経済学者出身で、実務能力にも長け、イタリア経済の救世主として期待されている。マリオ・モンティは、ベルルスコーニ前首相の政権下、イタリアが債務危機に陥る中、大統領の指名による終身上院議員となって首相に就任、「実務家内閣」として経済対策を打ち出し、イタリアの国際的な信用回復に貢献した。
ただ、イタリア経済再建策の財政健全化、労働市場改革は痛みを伴うだけに、国民の不満も多く、それに乗じて再び、ベルルスコーニが動き出した。モンティ政権は、ベルルスコーニの中道右派、自由国民党の支持を受けてきたわけだが、同党がこれを撤回。モンティ首相は辞任したのだが、さて総選挙で国民の選択はどうなるのか。それによって、またユーロが揺れ動くのだろうなあ。ベルルスコーニのポピュリズム政治がいまだに機能するのか。それとも、まずは経済の正常化という理性が勝つのか。
ビル・エモットは『なぜ国家は壊れるのか』で、スーパーマリオを「グッド・イタリア」、ベルルスコーニを「バッド・イタリア」としているが、どちらの道を歩んでいくのだろう。後者だと、またユーロ危機の再燃だろうか。
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