安倍政権、20兆円規模の緊急経済対策。財政政策と金融政策を連動させた経済政策がやってくる

安倍内閣は11日午前、国や自治体などを合わせた事業費が20・2兆円にのぼる「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を閣議決定した。このうち国は今年度補正予算案で10・3兆円を支出する。補正予算案の規模はリーマン・ショック後の2009年に麻生内閣が組んだ14・7兆円に迫り、大型の景気対策になった。(略)対策は、財政出動、大胆な金融緩和、成長戦略を「3本の矢」とする経済政策「アベノミクス」のうち、財政出動を中心とした第1弾になる。60万人の雇用をつくり、国内総生産(GDP)を2%ほど押し上げることを目指す。

 デフレ脱出へは、財政政策以上に金融政策が重要。特に、インフレ目標を設定し、非伝統的な手法で金融緩和を図ることが重要という主張は、20世紀末からあったが、十数年を経て、それが試される。緊急経済対策の財政規模もかなりのものだが、それ以上に金融政策の変更だなあ。
 日銀は、インフレ目標政策を否定し、これまで、その主張を通し、政治的に勝利してきたわけだが、議論では勝っても、現実の成果を上げることはできなかった。反対に、米国や欧州では、2008年のリーマン・ショックに際し、非伝統的金融政策を採用し、デフレ回避に一応の成果を上げている。そうした政策がいよいよ日本にも導入されるのだな。
 経済学的には、この金融政策をとれば、株高・円安になる。そして実際、マーケットは、そうした流れを先取りして動いている。政策の効果が実体経済に反映するまでには、まだ時間がかかるだろうが(1年?)、あとは安倍首相がこの政策を貫けるかだなあ。今までのように日銀が「デフレ期待」の発信地になることはもうないだろうか。巻き返しが怖いけど、白川総裁が退き、新しい日銀総裁が誕生すれば、デフレ期待は消え、インフレ期待が根付いていくのだろうか。
日経平均大引け、3日続伸で1万800円台乗せ 約1年11カ月ぶり日本経済新聞 => http://s.nikkei.com/ZOwJtN
★円相場 2年半ぶり89円台にNHKニュース => http://bit.ly/ZOwxuL

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