民主党は結局、硬直的な野党に戻ってしまった。悲しい...

政府は8日午前、衆参両院の議院運営委員会理事会に、14機関41人の国会同意人事案を提示した。民主党は、このうち公正取引委員会委員長に元財務事務次官の杉本和行みずほ総合研究所理事長(62)を充てる人事案が事前に一部メディアに報じられたことに反発。理事会を途中で退席した。民主党は「事前報道ルール」を盾に対決姿勢を強めており、政府が今月下旬にも示す日銀総裁同意人事案の行方にも影響しそうだ。

 「事前報道ルール」といったって、国会のしきたりで、法律でも何でもない。よく会社でもある「俺は聞いていない」といった風にも見えてしまう。自分たちだって政権を担当していたのだから、人事がメディアに抜かれてしまうことだってあるということは知っているだろうに。それとも言論統制した国家がいいと思っているのだろうか。20世紀の戦後自民党のように絶対的な多数を握っているのならば、こうした「ルール」で緊張関係をつくるというのも少しは意味があるのかもしれないけど、こうした形式的議論に拘泥するのは、何を考えているのだろう。結局、政権交代の間に何も民主党は何も学ばなかったのか。悲しいなあ...。結局、21世紀の民主党は20世紀の社会党になっていくのだろうか。だいたい、これじゃあ、「俺は聞いていない」が問題なのか、人選そのものに反対なのか、わからない。
 民主党の敵は実は民主党の内部にいるんじゃないだろうか。この体質をどうにしかしないと復権はないなあ。それこそ自民党独裁への逆コースを民主党が用意することになるのかもしれないなあ。参院選は夏というけど、あっという間だけど。せめて日銀総裁を政争の具に使う愚かな真似だけはもうしてほしくないけど。その結果として、突然、想定外の総裁になった白川・日銀下の円高とデフレの5年があったわけだから。

民主の敵―政権交代に大義あり (新潮新書)

民主の敵―政権交代に大義あり (新潮新書)