コパ・デル・レイ、アトレティコが延長の末、宿敵レアルを下し、優勝

17日のコパ・デル・レイ決勝、サンチャゴ・ベルナベウでのレアル・マドリーアトレティコ・マドリーは2-1でアトレティコが制した。アトレティコのダービー勝利は1998-99シーズン以来14年ぶりで、コパ優勝は1995?96シーズンのリーガ、コパの“ドブレテ(2冠)”以来17年ぶり10度目。

 マドリード・ダービーとなったコパ・デル・レイスペイン国王杯)。レアル・マドリードが先制したときは、また勝てないのか、と思ったのだが、今日のアトレティコ・マドリードは気合が違った。野獣ファルカオが絶妙の技でキープしたボールをジエゴ・コスタにスルーパスジエゴ・コスタがきっちりゴールを決めて、同点に追いつく。そして延長に突入。レアルが攻め立てるが、キーパーのティエボ・クルトワが神業のようにゴールを守る。一方、アトレティココーナーキックから、ついに逆転。焦るレアルの攻撃が空回りしたまま、試合は終わる。
 アトレティコファルカオもミリョ的だし、シメオネ監督の「アトレティはこのクラブを支えるソサエティの希望であり、また物事がうまくいかず、苦しみ抜く人々の象徴なんだ。努力を重ねることで、チャンスは必ず訪れる」という試合のコメントも泣かせるし、好きだなあ。マドリード・ダービーではいつも、良い線を生きながら、途中で集中力が切れ、負けてしまうというパターンだったが、今日は最後まで闘志に満ちていた。そして「チャンスが訪れた」わけだな。
 これに対して、レアル・マドリードは...。モウリーニョ監督は主審に暴言を吐いたのか、退席処分。相手選手のしつこいマークと、決め切らない試合に苛立ったのか、クリスティアーノ・ロナウドはタックルに来た選手の顔を蹴ってしまって一発レッドで退場処分...。何だか、今季を象徴するようだなあ。何をしても勝てばいいのか、という感じで、勝利至上主義も勝てなくなると、空回りしていくのだなあ。それだけ勝ちにこだわったレアルが今季のタイトルは比較的軽いスーペルコパだけ。リーガも、チャンピオンズリーグも、そして、このコパ・デル・レイも逃した。おまけにチームもバラバラ。レアルはモウリーニョになって強くなったが、一方で、美しさというか、精神を失ってしまったみたいに見えてしまう。強いだけみたいな。だから、勝てないと、意味を失ってしまう。
 試合が、アトレティコのサポーターからは、モウリーニョに残ってくれ、という合唱が起きていたという。何だか、寂しいなあ。闘争心を煽るために敵対心を煽るという手法は嫌な感じがする。「我々は自尊心と巨大な気概でもって、この試合に臨んだ。試合前からマドリーの方が優れていたことを認め、そんな彼らを相手に優れたプレーを見せることができた」というシメオネの言葉のほうが美しいなあ。だから、この結果をハッピーエンドと思ってしまうのだな。モウリーニョは、レアル・マドリードをヒールにしてしまった感じがする。でも、それはブランド管理上もまずくないんだろうか。
シメオネ:「アトレティは苦しみ抜く人々の象徴」 - Goal.com
モウリーニョ:「キャリア最低のシーズン」 - Goal.com