都議選、自民・公明全勝。共産大躍進。投票率は過去ワースト2で投票から100万人以上が離脱

参院選の前哨戦として注目された東京都議選(定数127)は23日投開票され、自民党が全42選挙区に擁立した59人全員の当選を果たし、都議会第1党の座を奪い返した。自民の獲得議席は過去10回では1977年と85年の56議席を抜き最多で、全員当選は史上初めて。協力関係にある公明党も23人全員が当選した。共産党は現有8議席から倍増以上の17議席を獲得し、第3党に躍進。前回54議席と大勝した民主党は15議席にとどまり、第4党まで転落した。都議選では初の本格参戦となった日本維新の会も2議席と伸び悩んだ。投票率は前回(54.49%)を大きく下回り、過去2番目に低い43.50%となった。

 うーん。熱狂なき勝利か。正確には、関係者・支持者以外、熱狂も関心もなかったか。都議選、予想通りの投票率低下。こうなると、強固な組織(ということは、既得権益)に支えられた自民、公明、共産は強いのだろう。この構図も昔から変わらない。民主党政権の4年間は、あまりの実務能力の欠如と理念の曖昧さで、自民党以外の選択肢に対する希望を完全に破壊し尽くしたのだなあ。橋下氏の維新は変わる可能性を持っていたのだろうが、石原慎太郎氏と合流し、さらには自身の慰安婦発言もあって、極右グループみたいなイメージをつくってしまった。で、何事も極端なものは大衆性を持たないのだなあ。
 ともあれ、投票率が10ポイント下がっている。東京都の有権者は、この6月2日現在で、1076万人だから、大雑把に言って、前回に比べて100万人以上が投票行動から離脱したわけだなあ。民主党が事実上、自壊といってもいい様相を呈したことで、投票先を失った票がさまよっているのだなあ。選択肢がないだなあ。で、想像するに、このまま進めば、参議院選挙も、記録的な低投票率とともに、自民・公明の圧勝、共産の増加という形に落ち着くのだろうか。一応、安倍政権としては改革を打ち出しているものの、既得権益を前提にした昭和の政治が続くのだろうか。共産党も含めて、改革はごめんという人たちばかりだし、まあ、それが民意なのだろうか。平成になっても、昭和が大好きなんだなあ。
 参院選前哨戦での与党圧勝の裏で、新たな成長へ向けて日本は変わるんじゃないかという期待は次第にしぼんでいく感じがする。実際、東京株式市場はアベノミクス相場の熱気はもはや冷め、誰もが勝ち逃げするチャンスを探り合っているような動きになっている。棄権した層の不満はどこに向かうのだろうか、というか、どこがすくい取るのだろうか。政治が期待されくなると、「ダークナイト・ライジング」みたいに反社会的なダークサイドがそうした不安・不満を吸収していくんだろうか。
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