総選挙は、やはり自民党の圧勝? そんなものなのかどうなのか、とか、うだうだ考える...

 総選挙の序盤の情勢記事が一斉に出てきた。どれを見ても、自民が300議席を超える見通し。
 まず朝日...

14日投開票の衆院選について、朝日新聞社は2、3の両日、約6万人の有権者を対象に電話調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて選挙戦序盤の情勢を探った。現時点では?自民は単独で300議席を超える勢いで、公明とあわせて定数の3分の2(317議席)を上回る可能性がある。民主は公示前の62議席から上積みするものの、伸び悩み、100議席には届かない公算が大きい。維新は公示前の42議席から後退、次世代も公示前の19議席から1ケタになりそう。共産は公示前の8議席から倍近く増える見通し――であることが分かった。

 自民単独で300議席超え、という御託宣。ただ、投票行動を明らかにしない人が小選挙区で4割以上、比例区で3割以上。有効回答率は59%。要するに答えない人は投票に行かない人だよね、ということなのか。これまでの統計的結果から見て、そういう判断なのかな。
 で、読売は...

自民党は、小選挙区選、比例選ともに優勢で、比例選で伸長が見込まれる公明党と合わせ、与党で300議席を超える勢いとなっている。民主党は、公示前の62議席は上回る情勢だが、海江田代表が掲げた「3けた」の目標には届かない見通し。維新の党など第3極は低迷している。共産党は比例選で好調で、公示前の8議席からの倍増をうかがっている。調査では、小選挙区選で3割、比例選で2割の人が投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢は終盤にかけて変わる可能性もある。

 自民・公明の与党で300議席超え。いずれにせよ圧勝。で、投票行動を答えない人が小選挙区3割、比例区2割。
 毎日新聞は、共同通信の調査を使っていて、その共同の調査結果は...

共同通信社衆院選について2、3両日、全国の有権者約12万1700人を対象に電話世論調査を実施し、公示直後の序盤情勢を探った。自民党小選挙区比例代表で優位に立ち、公示前の295議席を上回る300議席超を獲得する勢いだ。民主党は70議席前後の微増にとどまる公算が大きい。維新の党は公示前議席を減らし、共産党は上積みする見通しだ。投票先未定は小選挙区で53.5%に上り、今後、情勢は変わる可能性がある。

 自民単独で300議席超え。こちらは何と投票先未定が5割超え。何にも決まっていないことじゃん、といいたくなるけど、答えない人は戦況に行かない人ということなのかなあ。
 そして、産経新聞は、共同通信の調査結果に自分たちの取材結果を加味して...

産経新聞社は3日、第47回衆院選(14日投開票)について、全国の総支局の取材に共同通信社の電話世論調査の結果などを加味して、選挙戦の序盤情勢を探った。自民党は選挙区、比例代表で優位に立ち、単独過半数(238議席)と安定多数(249議席)を大幅に上回り、300議席超を獲得する勢いだ。民主党は、海江田万里代表、菅直人元首相ら幹部級で苦戦している選挙区もあり、目標の100議席に届かない公算が大きい。

 民主党嫌いの空気が漂う産経は、海江田代表も菅元首相も危ないぞ〜ということろで、色をつけている。
 で、日本経済新聞は...

日本経済新聞社は第47回衆院選について世論調査を実施し、公示直後の序盤情勢を探った。衆院定数475議席のうち、自民党は300議席をうかがう勢いだ。参院で否決された法案を衆院で再可決できる3分の2(317議席)を与党で維持する可能性がある。民主党は伸び悩み、維新の党は苦戦している。

 こちらはグラフを見ると、自民295プラス・マイナスアルファという読み。上振れする可能性のほうが大きいと思っているかな。投票先未定は、小選挙区で27%、比例代表で20%。うーん。残っている。注目すべきは、期日前投票の動向かな。期日前の投票率で、選挙への関心度や当日の投票率が水槽できそうだから、新聞の調査結果通りになるのかどうか、見えてくるかな。投票率が低ければ、この調査結果のような話なんだろうなあ。
 そうはいっても、この投票未定の多さ、共同の調査なんて半数が決めてません。要するに、反自民・非自民票の行き場がないのだなあ。野党、特に民主党などは、この2年間をどう過ごしてきたかが問われているなあ。民主党は政権党時代だったわけだし、その時の反省を踏まえた上で発言しないと...。もはや「自分たちが政権だったら」と言えないもんね、一度やっているんだから。あの頃に戻りたいと思っている人もあまりいないだろうし...。なぜ再び私たちなのか、という論理構成で語らなないと、ただ批判しているだけじゃあ、弱いなあ。
 投票先未定が多いということは、まだ、頑張れば、選挙結果を動かせるのだろうけど、動かせるだけの発信力を持った人が野党側に見えてこないところが寂しい。小泉進次郎みたいな表現力豊かでテレビ映えする人が野党にはいないんだなあ...。安部首相は結構、上手。やっていることはベタベタのマーケティングゲッペルス以来の古典的プレゼンテーションという感じがするんだけど、その技にさえ対抗できる人が野党には...。いない...。追い詰められて成長する人もいるから、最後の最後で、そういう人が出てくるのだろうか。昭和の街頭演説アジテーションみたいな人が多いからなあ。「団結、がんばろ〜」的なんだなあ。
連邦準備制度と金融危機―バーナンキFRB理事会議長による大学生向け講義録 しかし、大企業や公務員、株やドル資産を持っている人はいいけど、それ以外の大多数の人は、この結果でいいんだろうか。アベノミクスって、いまだに良くわからなくて、バーナンキFRB議長が米国で展開した非伝統的金融政策を踏襲しているだけで(デフレ放置の動かざる日銀に盲従していた民主党政権よりは良かったけど)、それ以外に何が新しいのだろう?。それに、この非伝統的金融政策は出口が難しく、バーナンキは絶えず出口政策を考えていたし、賛成派も反対派も、その議論をしていたけど、日本は考えているんだろうか。デフレ脱却の特攻作戦としての金融緩和で、それ以外は何も考えていないのだろうか。後は野となれ、山となれ?
 金融政策以外を見ると、産業・企業の構造改革は進まず、公共事業頼みという構図も変わっていない。安部政権が圧勝したところで、金融緩和以外に何の展望があるのか、見えないなあ。株式市場は過剰流動性でフィーバーし、為替は日米金利差で円安に歯止めがかからなくなっていきそうだけど...。そして、いくら円安になっても、それで輸出が活性化するわけでないところが哀しいなあ。株は実体経済がついてこなければ、バブルとなって、金融政策が行き詰まった時に、暴落するだけだけど...。
 結局、日本の成長戦略というのは、円安で観光客を呼び込み、カジノ解禁して、さらにカネを落としてもらうようにするということなのかなあ...。ニッポンって安いよね、と外国人に思ってもらうのか。それ以外の青写真が見えいなあ。で、ホテルやら観光施設をいっぱい作って、2020年の東京オリンピックの後に待っているのは、前のオリンピックの後に起きた「昭和40年不況」の再来か。そういえば、気の早い人が2021年は大不況になるとか、今から心配していたなあ。
 そんな中で、投票先未定の私は、誰に、どの政党に入れようかなあ。

世論調査と政治――数字はどこまで信用できるのか (講談社+α新書)

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