米上院情報特別委がCIA拷問レポート。拷問には効果がなかったと。で、映画でテロと拷問を考えると...

米上院情報特別委員会は9日、米中央情報局(CIA)が2001年の同時多発テロ以降、ブッシュ前政権下でテロ容疑者らに過酷な尋問を行っていた問題についての報告書を公表した。報告書は拷問が横行していたことを指摘し、その実態を明かしたうえで、CIAが主張してきた成果を否定している。

 911同時多発テロのあと、米国はテロ容疑者に拷問をしているとの話があった。それは、この映画でも...

 ビンラディン暗殺の端緒をつかむ上で、拷問に効果があったというような描き方だったけど、このレポートでは否定しているという。正確な情報もそれほど入手できなかったと。CIAが言っているほど対テロで効果があったわけではないというのが、議会の結論なんだな。
 そうすると、テロ・ゲリラと拷問の関係については、こっちの映画のほうがリアルだったわけだな。
アルジェの戦い [DVD]

アルジェの戦い [DVD]

 アルジェリア独立戦争における独立派テロリストとフランス軍の戦い。フランス軍は拷問によってテロ組織を壊滅するが、一度、火がついた独立運動の炎は民衆の間で燃え盛り、最後にアルジェリアは独立を手にする。戦術的、短期的に拷問は一定の成果があったとしても、戦略的勝利を得ることはできない。非人道的な拷問に効果はないという一方で、テロに一定の効果を見ているようなところもあって、それはそれで歴史的には事実だったのかもしれないけど、先進国の倫理・道徳的にはちょっと厄介な映画。
 独立や革命は、理念や思想からというよりも、むしろ差別や理不尽さに対する燃え上がるような憎しみをエネルギーにして生まれるとでもいうように描いているところがリアルで、妙に熱のある映画だった。日本の幕末・維新のテロもこんな感じだったのかな、と実感してしまうような...。でも、この映画、テロ肯定ともみられかねないところがあるから、テレビで放映されることはもうないだろうなあ。ただ、どのようにテロが生まれてくるのかを知る教科書みたいなところがあった。
 で、独立派テロ鎮圧のために送り込まれるフランス軍将校を演じていた人(ジャン・マルタン)が、こちらの映画では、独立を認めたド・ゴール大統領の暗殺を図る独立反対派の秘密軍事組織の一員を演じていた。別々の映画なんだけど、このキャスティングが何だか、ちょっと連続しているみたいでリアルでした。
ジャッカルの日 [DVD]

ジャッカルの日 [DVD]