アジアカップ、日本代表はPK戦の末、まさかの準々決勝敗退

日本代表は23日、アジア杯準々決勝でUAE代表と対戦し、1-1のまま突入したPK戦で敗れた。前半7分に今大会初失点となる先制点を許した日本は後半36分、途中出場のMF柴崎岳が同点ゴール。1-1のまま延長戦に突入すると、120分間でも決着が付かず、PK戦の末、4-5で敗れた。日本は96年大会以来、5大会ぶりのベスト8敗退となった。

 アジアカップ、日本が準々決勝で散ってしまうとは...。ベスト4に残れなかった。しかも、相手はUAE...。うーん、正直、想像もしていなかった。試合開始早々に速攻カウンターで1点を先制され、あとは全員が体を張ったプレイでゴールを守る。そんなUAEを見ているうちに、ちょっとアトレティコ・マドリードを思い出してしまった。UAEはサッカー魂の集団となっていたなあ。一方、柴崎の素晴らしいゴールで同点に追いついた時は日本が逆転するかと思ったが、いつものようにゴールが遠い。そしてPK戦では何とトップバッターの本田が外し、6番目の香川がゴールポストを叩く。PK戦は運だから、しょうがないのかもしれないが、そこまでに攻めても攻めても決めきれないところが悲しい。
 日本は、グループリーグを無失点で切り抜けたことで、どこかに油断があったのだろうか。まったりと試合に入る日本の立ち上がりのスキを見透かしたかのように、速攻カウンターで勝負をかけたUAEの作戦が見事だったんだろうなあ。PK戦でもUAEのキーパーが飛ぶ方向はあたっていたから、日本は情報戦でも負けていたのか。いずれにせよ、UAEは対日本戦に良い準備をしていたのだな。
 加えて、ここまで攻めても点が入らないと、日本は決定力不足の原因は何か、もっと科学的に追求する必要があるのかもしれない。そして決定力を高めるために、どんな練習方法があるのかとか、より得点の確立が高い攻撃方法の開発とか。テニスの錦織選手は基礎を反復練習することで決定力を高めたが、こうした方法がサッカーにも応用ができるのかどうか。もう一度、考えてみる必要があるんだろうなあ。
 もう一つ、不安なのは香川。今回のアジアカップは、スランプから脱出するきっかけになるのではないかと期待されていたが、今日は試合の中でも、ここぞというところで決まられなかったし、PKも外して敗戦後、泣いていたようだった。これで自信喪失に陥らないといいけど。
 それにしても、ワールドカップ予選も、そう簡単なものでもないかもなあ。アジアのレベルは上がってくるだろうし、その中で勝ち抜くのは、それほど簡単ではないかも。グループリーグの時は、日本の実力はアジアで別格かと思ったが、準々決勝敗退という現実を突きつけられると、そう考えるのは早計だった。自分の型にはまったときだけ強いのは本当の強さじゃない。ロシア・ワールドカップのことを語る前に、まず出場権を得ることが問題になってくるなあ。

AFCアジアカップ オーストラリア 2015 オフィシャルマガジン

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