全豪オープン男子決勝、マレー(マリー)は心が折れ、ジョコビッチが5度目の優勝。

 テニスの全豪オープン最終日は1日、メルボルン・パークで男子シングルス決勝があり、第1シードのノバク・ジョコビッチセルビア)が、初優勝を狙った第6シードのアンディ・マリー(英)を7―6、6―7、6―3、6―0で破り、2年ぶり5度目の優勝を飾った。4大大会優勝は昨年のウィンブルドン以来で、通算8勝目。

 テニスってメンタルなスポーツだなあ、と改めて思った試合。第1セット、第2セットともにタイブレークで、いずれも1時間以上かかる両者譲らぬ大接戦だったが、流れはマレーだった。ジョコビッチは第1セットで手の指、第2セットで足に問題を抱え、体調が不調。特に足はステップもままならず、倒れたり、踏ん張りが効かずにショットに力が入らなかったり、試合が続けられるのかと思う時さえあった。
 第3セットもマレーがジョコビッチをブレークして始まり、今日はマレーの日かと思った。ところが、ジョコビッチがブレークバックし、再度のマレーのブレークポイントを何とか乗り切って、逆にマレーをブレークして、このセットを手にする(スコアは6−3だが、マレーの1セットダウンだから僅差)。第4セットをマレーがとって第5セットまで持ち込めば、ジョコビッチの体調からいって、まだまだ試合の行方はわからないと思ったのだが、なぜか、ここでマレーの心が折れてしまう。
 ジョコビッチが全豪のハードコートを得意としていること。これまでも決勝でぶつかりながら、ジョコビッチに勝てていないこと。いろいろなことがあったのかもしれないが、マレーの表情から闘志が消え、疲労感が浮かび、敗者の顔になってしまう。まだ試合は終わったわけではないのに...。一方のジョコビッチは体調不安で不安げな表情が消え、いつもの自信見ながる強者の顔になる。プレーにもショットにも力強さが蘇り、今までの体調は嘘のよう。そうした両者の印象そのままに第4セットはジョコビッチが6−0で圧勝。
 テニスってメンタルに左右されるのだなあ。体調も疲労もメンタルで良くもなれば、悪くもなる。そんな印象が強かった。しかし、ジョコビッチの心は強い。最後は精神力の勝負になった感じがする。ジョコビッチはマレーと12歳だか11歳だかの頃から戦っているらしいが、それでも、こんなことが起きるのだなあ。あるいは、それほど戦っているから、心が微妙に動くのかなあ。悪い記憶が蘇ったり、良い記憶が自信となって全身にみなぎったり...。ジョコビッチは結婚していて、マレーは婚約中で、これから。これは関係あるんだろうか。

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