徳大寺有恒・島下泰久『2015年版 間違いだらけのクルマ選び』を読む:本にも寿命があるのかも
- 作者: 徳大寺有恒,島下泰久
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2014/12/13
- メディア: 単行本
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「クルマ選び」は徳大寺有恒氏というよりも、島下泰久氏の本になっていた。徳大寺氏、クルマを乗りまくるという歳でもなくなっていたんだなあ。島本氏は徳大寺氏ほど(良くも悪しくも)自分が理想とするクルマの明確な姿が固まっていない感じがした。加えて、昔読んだ時よりも、対象となる車種が減っているように思える。評価車のカバー率が下がっているというのか。やっぱり量が欲しいなあ。電気、燃料電池などの次世代エコカーの紹介には熱心だが、外車もフィアットもポロも出ていないし、最近人気の軽自動車にしても、軽自動車は自動車として、おすすめできないと思っているのか、さらっとしている。そうならばそうで、問題点を赤裸々に書けばいいのに(安全性はどうかとか)。「クルマ選び」というよりも、自動車業界レポート、新車レポートみたいになってしまっていた。昔のテイストも残っているけど、何かちょっと違う感じ。自分で買うクルマを選ぶ参考としては量的にも不十分というか...。
自動車の世界にインパクトを与え、進化に貢献してきた本だとは思うけど、本にも寿命があるのかな。久しぶりに読んでみると、往年の勢いはなくなっている感じがした。「クルマ選び」での参考度という点からみても、ちょっとだったし...。クルマに求めるものが多様化しているので、本づくりも難しいのかなあ。走る楽しさという点からクルマを論じるならば、英国の「トップギア」ぐらい飛んでしまったほうがいいような気がする。あの番組、おバカな企画で楽しませるけど、批評は結構、真面目で辛辣。性能が良くても価格が高過ぎるとか、同じオカネを出すのだったら、こっちのほうがおすすめ、とか、はっきり言う。逆に、多少の欠点はあっても、それを補う走る楽しさを教えてくれるクルマも紹介するところがマニアック。辛口のこの番組で評価が高かった日本車はスバルだった。最近の富士重工業の好調ぶりを見ていると、トップギアって結構、見る目があるのかもしれないと思う。というか、影響力かな。
- 出版社/メーカー: 三栄書房
- 発売日: 2014/04/26
- メディア: DVD-ROM
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