ノア 約束の舟

ノア 約束の舟 [DVD]

ノア 約束の舟 [DVD]

 ノアの方舟の映画化。でも、ハリウッドがつくると、ノアの方舟もこんな形になってしまうんだろうか。出てくるキャラクターが「ロード・オブ・ザ・リング」風であったり、アクションがあったり、ノアも原理主義者風であったり、現代的な味付けというか、ハリウッドのマーケティング至上主義的味付けというのか、どうもノアの方舟の従来のイメージと違う。古典的な映画で言えば、「天地創造」で監督のジョン・ヒューストンが自ら演じていたノアを思い出してしまうのだが、ラッセル・クロウとは違って、もっと枯れた感じで、一般的なイメージに近かった。
 ラッセル・クロウも、ジェニファー・コネリーも、エマ・ワトソンも好きな俳優さんだけど、映画にはちょっと乗り切れなかった。ラジー賞の最低監督賞、最低脚本賞にノミネートされたというのも、わかる。監督はダーレン・アロノフスキーだが、この人、「レスラー」や「ブラック・スワン」をつくった人。わからないもんだなあ。ジョン・ヒューストン監督の「天地創造」(ノアの方舟は一エピソードだけど)と「ノア」を両方見て、比べてみるのも面白いかもしれない。聖書の映画化が時代によって、どれだけ変わるかがわかるなあ。CGが発達しすぎちゃったのか、刺激がないと我慢できない時代になったのか。