インドネシアが外国人を含む麻薬密輸犯の死刑を執行。死刑反対のオーストラリアは大使を召還

 日本ではあまり話題になっていないけど、世界のメディアではここ数日、安倍首相の訪米よりも注目されている事件。

インドネシアからの情報によると、麻薬密輸に関与した罪などで死刑を言い渡されていた外国人ら8人が28日、同国中部ジャワ州のヌサカンバンガン島で処刑された。この中にオーストラリア人2人が含まれていたことから、豪政府は駐インドネシア大使の召還を発表した。ロイター通信が地元メディアの報道として伝えたところによると、オーストラリア人のほかナイジェリア人4人、ブラジル人とインドネシア人各1人の死刑が執行された。ナイジェリア人のうち1人は当初、誤ってガーナ人と伝えられていた。死刑の対象となっていた10人のうち、フランス人1人は最近裁判所に異議を申し立てたため、刑執行が延期された。またインドネシアに麻薬を持ち込んだとして有罪になったフィリピン人家政婦の死刑も、直前になって見送られた。

 インドネシアでは麻薬密輸は死刑に相当する重罪。麻薬密輸に関連して死刑の対象になっていたのは10人で、このうちインドネシア人は1人で、あとは皆、外国人。フランス人とフィリピン女性の執行は延期されているが、残り8人全員が銃殺刑に処せられた。オーストラリアは既に死刑制度を廃止している国で、オーストラリア人を死刑から救おうと運動を続け、外交問題にもなっていたのだが、インドネシアは自国の法律通りに死刑を執行した。無視された形になったオーストラリアは大使の召喚に踏み切った。
 この事件、バリ島で起きたものらしいが、海外旅行の際、知らない人に物を運ぶことを頼まれたり、物を入れらたりすることに注意しましょうと言われるけど、実際、死刑という結末が待っていたりするのだな。
 このニュース、CNNもBBCアルジャジーラもトップクラスで報じている。ということは、死刑を野蛮で非人道的な制度とみなす国が多いという話でもあるのだな。そして、日本はいまや、先進国では米国とともに死刑制度を維持している少数派。こんなところでも日米同盟か。ロシアは制度として死刑は廃止しているが、私刑がありそうな...。偏見かな。
Indonesia executions: Australia recalls ambassador - BBC News
世界の死刑制度の現状 - Wikipedia
★ 外務省・海外安全ホームページ「海外における薬物犯罪」 => http://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/oshirase_yakubutsu.html

いま死刑制度を考える

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