U35アジア選手権。世界を知らない最弱世代といわれた日本が韓国に逆転勝利。アジアの頂点に

サッカーU-23アジア選手権決勝(30日、日本3-2韓国、ドーハ)サッカー男子のリオデジャネイロ五輪最終予選を兼ねた大会で、6大会連続10度目の五輪出場を決めた日本は韓国と対戦し、2-2で迎えた後半36分にFW浅野拓磨(21)=広島=が決勝点を挙げ韓国に勝利。11年アジア杯(カタール)以来、5年ぶりとなるアジアの頂点に立った。

 昨夜、中継を見たのだが、韓国に先制され、前半早々、失点して0−2となったところで、ここまでかと思って寝てしまった。朝、起きてみて、びっくり。日本が逆転勝利していた。失礼しました。この世代、アジアの壁を突破できず、それ以前の華やかな黄金世代の選手たちに比べて、世界を知らない最弱の世代と思われていた。この大会もリオ五輪の出場権を得られるのかどうか、それもギリギリかと思っていたのだが、終わってみれば、優勝。すごいな。何と言っても、0−2になってもあきらめずに戦い続け、最後に勝利を呼び込んだところは、本当に強いなあ。選手個人個人のこれまでの悔しさもあっただろうし(例えてみれば、「お父さんも、お兄さんもできたのに、この子は...」と言われて、育ってきたみたいな世代だから)、よく道を外さずに、ここまで来たなあ。脱帽です。
 今回の優勝、やはり手倉森監督の手腕もあるのだろうか。この世代、選手層が厚いともいえないし、この日は、南野は欧州のクラブに戻り、鈴木武蔵はケガで欠いていたのに、この勝利。試合ごとにヒーローが変わっていったし、チームが成長していったなあ。個の技術では勝てなくても、組織力と諦めないメンタリティで勝つチームに育て上げたのだなあ。手倉森監督、インタビューなどでの話し方はエラソーなんだけど、やっぱり、すごいかも。浅野はJ1覇者の広島の勝利のメンタリティを持っているようで、最初の1点を返した後、すぐにプレイに戻ろうと帰ろうと呼びかけているところが印象的だった。1点入れても、勝ったわけではないし、すぐにスタートしたことで、動揺している韓国から、すぐに同点弾を奪うことに結びついた。常勝クラブにいることは大切なんだな、とも思う。
 ともあれ、お見事でした。韓国の選手たち、前半は試合で圧倒して2点目が入ったからは勝利を確信して、余裕たっぷり笑顔でプレイしていたが、追いつかれてからは呆然としていたなあ。勝負は怖い。最後まで、わからないのだなあ。

不動の絆    ベガルタ仙台と手倉森監督の思い

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