国立民族学博物館
以前から一度、行ってみたいと思っていながら、なかなか機会がなかったのだが、たまたま大阪に行く用事があり、しかも時間が空いたので、行ってみた。国立民族学博物館! 千里の万博会場跡に梅棹忠夫がつくった博物館は期待していた以上のものだった。自分たちが知っている世界がどれだけ狭いのか。世界に多様な文化があることを実物で見せてくれる。それも単なる歴史としてだけでなく、カシオのイスラム向け腕時計(礼拝の時間とメッカの方角を教えてくれる)などといった現代のものまでが陳列されている。世界には、いかに多様な文明があり、様々な色彩があるのかを体験できる。館内には、小学生や中学生も多かった。関西の子どもたちは幸福だなあ。
最初は、ただ見ていたのだが、いろいろな展示物を見ているうちに、もっと詳しく知りたくなり電子ガイドを借りる。PSP(プレイステーション・ポータブル)だと思うのだが、音声だけではなく、映像も加えて解説してくれる。しかも、端末を借りても無料。これも、うれしかった。
インターネットの世界になって、何でもわかっているような気になっているのだが、知っていることはほんの一部。しかも、実物を通じて多様な文化に接することは発想を広げてくれる。こんな色使いがあったのか、こんな表現方法があるのか、と刺激になり、ここは、アートを勉強している学生には必見の場所だな、と思う。現代アートよりも斬新で刺激に満ちたものがある。そう思って、館内を歩いていたら、アフリカや中東などエスニックな衣装の展示物の写真を撮っているファッション科の学生風の女性がいた(館内は写真撮影がかなり許されている)。やっぱり、わかっている子はわかっているのだな。服飾の場合、色彩、スタイルだけでなく、素材が面白いものも多かった。それだけに、目の付けどころのいい、できる女性だな、と思ってしまった。
そんなこんなで、かなり楽しめた。加えて、館内のレストランも「国立民族学博物館」の特徴を出していて、タイカレーやら、フォーやら、ガパオやらのエスニック・ランチが売り物。フォーを食べてしまった。梅棹忠夫は偉かったなあ、と思う。関西の人たちは、そんなの当たり前と言うんだろうけど、初体験した者には新鮮でした。
最寄り駅の大阪モノレール「万博記念公園駅」の前には、大型商業施設のEXPOCITYやガンバ大阪の新ホーム「市立吹田サッカースタジアム」があって、駅から出た人たちはほとんどがそちらに流れていってしまうのだが、反対側の太陽の塔の先にある国立民族学博物館はオススメです。観光案内を見ても、万博記念公園やEXPOCITYの話はいっぱい出ているんだが、国立民族学博物館(みんぱく)のことはあまり触れていない。面白いんだけどなあ。
★国立民族学博物館のサイト
http://www.minpaku.ac.jp/
★レストラン みんぱく
http://www.minpaku.ac.jp/museum/information/restaurant
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