トランプ大統領、100年近い伝統を持つホワイトハウス記者会主催の夕食会に出席せず

トランプ米大統領は25日、ツイッターで、「ホワイトハウス記者会主催の夕食会に今年は出席しない」と述べた。記者会と政権や議会幹部、有名人らが参加する夕食会は毎年恒例の行事で、今年は4月29日に行われる予定。トランプ大統領とメディアの対立が深刻化していることが背景にあるとみられる。(略)ワシントン・ポスト紙によると、夕食会は1921年に始まった。過去には81年にレーガン大統領が暗殺未遂事件で負傷し、欠席したことがある。ただ、レーガン氏は電話を通じてスピーチを行った。記者会はトランプ大統領が出席しなくても、夕食会を開催する方針。

 トランプ政権、メディアとは完全な戦争状態。1921年ということは、共和党のハーディング大統領以来の伝統ある夕食会。ほぼ第一次大戦後、続いてきた伝統の否定かあ。夕食会だけは政権とメディアは休戦ということだったのだろうが、それもしないと。そうしたほうがトランプ支持者は喜ぶと計算したのか。トランプの恐ろしいところは、米国は分断していて、かまわないということ。
 常識的には、大統領選ではいくら過激な発言をしても、大統領になってからは米国国民の統合を前提に政治を行うと思われていた。ところが、そんなことはさらさら考えない。分断結構、自分は選挙で勝った大統領で何をやっても4年間の地位は揺るがない。議会だって共和党が支配しているし、大統領選挙に勝った自分には逆らえないだろうから、そんなに簡単に弾劾されることもない。そんな割り切りが見える。選挙を考えれば、エスタブリッシュメントのメディアをないがしろにしているほうが受けると考えている風があり、実際に米国の半分にはそれが受ける。その半分の政治で、選挙人を必要数抑えれば、再選可能とみているのかもしれない。そうなれば、8年も「2つの米国」が続くのか。
 米国の分断は国際的な影響力の低下になるのだが、それでも、かまわない。力で抑え込めると思っているのかもしれない。メディアも民主党も、分断結構という大統領は未体験の存在だけに対応に苦しむのだろうなあ。しかし、リンカーン共和党がこうした人物を推すことになるとは…。日本と違って、米国のメディアは簡単に政権にひれ伏すことはないだろうし、メディアとしても米国ジャーナリズムの存亡をかけた戦いになっていくのだろうか。見えないなあ。少なくとも米国のメディアも日本のことを笑ってはいられない。