カタルーニャが独立投票。バルセロナは抗議の無観客時代。エル・クラシコはどうなる?

サッカーのスペイン1部は1日、各地で試合を行い、バルセロナはホームで無観客試合を実施、ラスパルマスを3─0で下した。セルヒオ・ブスケツが先制点を決め、リオネル・メッシが2点を追加した。同日には、カタルーニャ自治州でスペインからの分離独立の是非を問う住民投票が行われ、投票を阻止しようとする同国警察と住民が衝突、800人以上の負傷者が出た。カタルーニャ自治州のクラブ、バルセロナは試合延期をリーグ側に申し入れたものの却下されたため、開始予定時間の25分前に無観客試合にする異例の告知を出してプレー。同クラブ会長は無観客とした理由について、安全面の懸念ではなく、実力行使に出た警察への抗議だと説明した。

 昨夜、WOWOWバルセロナの試合を見たら、観客席は空席。朝からBBCやCNNでは、カタルーニャ自治州のスペインからの独立をめぐる住民投票を阻止しようと中央政府が治安部隊(警察)を送り込んで衝突した自治体が報じられていたから、その影響かと思ったら、やはりそうだった。バルセロナのホームであるカンプ・ノウでは、いつもカタルーニャのプライドが溢れていたから、抗議もあるけど、安全・治安問題も大きいだろうなあ。カタルーニャ独立の大決起集会になってしまいかねないし。で、州政府は...

スペイン北東部のカタルーニャ州で行われたスペインからの独立の賛否を問う住民投票で、独立賛成が圧倒的多数を占める見通しとなったことを受けて、州政府は独立に向けた動きを加速させる構えを見せていて、中央政府との対立がさらに深まり混乱が広がることが予想されます。

 独立へ勢いづいている。住民投票で独立賛成が圧倒的多数というのは、そうだろうなあ。投票に行くこと自体が「独立」への意思表示だからなあ。混乱は続きそうだなあ。
 で、スペイン、欧州問題とともに、気になるのは、リーガ・エスパニョーラの華、バルセロナレアル・マドリードの一戦。もともと、この試合、カタルーニャと中央との対決みたいなところがあり、ある種、「戦争」で、荒れることもあった。今回の警察の実力行使で多数の負傷者が出たことで敵対感情はさらに激しくなっているだろうし、できるのだろうか。
 日程を見ると、今シーズンのエル・クラシコは、12月20日マドリードサンティアゴ・ベルナベウで、来年5月6日に今回、無観客試合を行ったバルセロナカンプ・ノウマドリードはまだいいかもしれないが、カンプ・ノウでは開催できるのだろうか。来年には、独立問題がどうなっているのか。中央政府が強硬姿勢で弾圧を続けると、カンプ・ノウは独立派の聖地となり、FCバルセロナはそのシンボルとなってしまうかもしれないなあ。FCバルセロナはもともと地元出身者が多いし…。
 で、カタルーニャというと、思い出すのは、この1冊。

カタロニア讃歌 (岩波文庫)

カタロニア讃歌 (岩波文庫)

 ジョージ・オーウェルがスペイン人民戦争に従軍したときのドキュメンタリー。スペイン人民戦争で、バルセロナは人民戦線の拠点で、カタルーニャマドリード中央政府と激戦を展開したのだなあ。エル・クラシコは、その因縁も引きずっている。スペイン中央政府が、カタルーニャ自治州住民投票にいらつくのはわかるし、法律上も無効なのだろうが、警察を投入し、力で押さえ込もうというのは、かえって、これまでの怨念に火をつけるだけで、独立派も懐疑派も反対派も反・中央でまとまらせてしまうだろうなあ。
 レアル・マドリードは中央権力の象徴みたいになってしまうし、エル・クラシコ、内戦になってしまうなあ。こんなとき、アトレティコ・マドリードの立ち位置というのは、どうなんだろう。バルセロナアトレティコというのは、バルセロナとレアルほどの険悪な雰囲気はない感じがする。しかし、スポーツと政治は関係ないといっても、サッカーはコミュティとの関係が強いから、今回のカタルーニャ問題とバルセロナ、混乱は続きそうだな。
エル・クラシコ ---マドリーとバルサ、選ばれし者たちの華麗なる激闘

エル・クラシコ ---マドリーとバルサ、選ばれし者たちの華麗なる激闘