カタルーニャ独立派ゼネストで思い出すスペイン内戦をめぐる映画

 カタルーニャが揺れている。

独立を問う住民投票を実施したスペイン・カタルーニャ自治州の全域で3日、独立派によるゼネストが行われた。投票を阻止しようとする警官隊と衝突した市民に多数の負傷者が出たことへの抗議で、地元警察によると州都バルセロナ市内では約30万人による大規模デモも発生、デモ隊が警察署前に押しかけるなど混乱が広がった。

 テレビを見ていたら、ゼネスト参加者の中には、自分は独立派ではないが、今回の警察の行動を見てストに参加した、と答えている人がいた。国家警察の独立投票に対する力の弾圧がかえってカタルーニャの反中央感情を高めてしまった様子。住民投票は法的には正統性がないのだから、国家警察が投票に来た住民を力(暴力)によって排除するほどの必要はないだろうに、なぜ、あそこまで強硬策をとらなけれならなかったのか、わからない。住民を殴打する警察の姿は、スペイン内戦の怨念を蘇らせてしまった感じがする。
 人民戦線とフランコ独裁政権の内戦の記憶は映画のなかに見ることができる。最近では、この映画...

 ギレルモ・デル・トロの「パンズ・ラビリンス」。人民戦線は徹底的に弾圧され、軍事独裁政権・ファシズムから逃れられる場所は幻想の中にしかない。
 映画の世界は、人民戦線、共和国派のものが多い。フランコ政権はファシズムだったし、欧米は当然、人民戦線側にヒーローを見る。この映画とか… 内戦が終わってからの物語では...
日曜日には鼠を殺せ [DVD]

日曜日には鼠を殺せ [DVD]

 内戦を舞台にした映画には名作が目立つが、「パンズ・ラビリンス」を含め、ゲイリー・クーパー(「誰がために鐘は鳴る」)も、グレゴリー・ペック(「日曜日には鼠を殺せ」)も主人公はみんな悲劇の死を遂げる。
 ちなみに、カタルーニャバルセロナは人民戦線の象徴であり、マドリードフランコ政権。黒づくめの制服を着た国家警察(機動隊?)による流血の事態に、カタルーニャの人びとには、過去の悲劇の記憶を蘇らせてしまったのではないか。なぜ国家警察は強硬策に出たのだろう。局地的には投票所を閉鎖できても、政治的には反マドリード感情の火に油を注いだだけで、中央政府の失策だったのではないか。国王はカタルーニャ政府を責めているが、住民投票が自治州政府の暴走であるにしても、あの国家警察の弾圧場面が流れたあとでは、どこまで事態を沈静化させられるか、わからないなあ。
スペイン国王 住民投票のカタルーニャ州政府を非難 | NHKニュース
 サッカーのスペイン代表にしても黄金時代は、マドリードバルセロナの融合から始まったという説もあるが、再び対立が激化してきた様子。歴史的な問題に火がつくと、こじれるなあ。
ピケ対ラモスの対立激化か…スペイン代表MFが不安視「通常の状態ではない」 | フットボールチャンネル