検察の人たちの研修に、このドラマは?  「秘密の森」

 政権の起こした問題には触らない。政権に近い政治家、官僚には触らない。国会に嘘をついても、公文書を隠蔽しても、改ざんしても、検察は起訴しない。そんな時代、検察の人たち、このドラマを見てほしいなあ。

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 Netflixオリジナル作品の「秘密の森」。財界、政界と癒着する韓国の検察・警察の闇と、それと戦う異端の検事と女性刑事。主人公を演じるのは「馬医」のチョ・スンウ。全16回の連続ドラマだが、誰が善か、誰が悪か、最後までわからない。ミステリーとしても面白いが、検察は誰のために存在するのかを問い掛ける。終盤に入ってからの台詞など、いまの日本の状況をも思い起こされる。大阪地検の人たちに見てほしいなあ。どんな感想を持つだろう。理想論だ、きれいごとだと切って捨ててしまうのかなあ。

 最初は出世主義だったり、権威主義なのではないかと思われていたような人物が岐路に立たされたとき、検事としてのプライドを見せるところは、やはりいいなあ。そうあって欲しいと願うのは、韓国に限らず、どこの国でも同じなのだろうなあ。現実には大変なんだろうけど、それでも期待してしまう。きれいごとだとあきらめたら、終わりだしねえ。

 それに、このドラマで登場人物のひとりが言うように、腐敗や忖度が続けば、社会そのものが壊れていくのだよなあ。法と秩序への信頼は社会の基盤だからなあ。このドラマ、続編ができそうだけど、どうなのだろう。

 で、韓国の特捜検事が大財閥に入り、そこで様々な不正を経験し、最後は内部告発者になるというリアルな話では、こんな本がある。 この本の中には、権勢を振るっていた前首相まで逮捕した日本の検察に対するリスペクトが語られているが、いまはどう見ているのだろう。

サムスンの真実

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