日本映画の黄金期を支えた橋本忍が死去。思い出す映画といえば、あの黒澤映画、この松本清張もの、そして...

 日本映画の黄金期を創ってきた人がまたひとり...

mainichi.jp 黒澤明は、映画はまず第一に本(脚本)と言っていたと伝えられるが、黒澤映画の脚本チームのキーパーソン、橋本忍が死去。100歳だったのだ。

 橋本忍が脚本に名を連ねた黒澤映画といえば、「羅生門」に始まり、「生きる」「生きものの記録」「蜘蛛巣城」「隠し砦の三悪人」「悪い奴ほどよく眠る」など傑作が多いが、そのなかでも、どれかといわれれば、新聞各紙の訃報の見出しにもなっている、これでしょう。

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 「七人の侍」! 米国でも「荒野の七人」シリーズとして、何度もリメイクされている完成度の高い世界に通じる物語だった。

 橋本忍には、黒澤映画と並んで、もうひとつの系譜があって、それは松本清張の小説の映画化作品。黒澤映画は東宝だったが、清張モノは松竹で、こちらでも「張込み」「黒い画集 あるサラリーマンの証言」「ゼロの焦点」「霧の旗」などの傑作を送り出した。その代表作といえば、やはり、これでしょう。

 野村芳太郎監督の「砂の器」。松本清張原作・橋本忍脚色・野村芳太郎監督というのは、「張込み」「ゼロの焦点」でも同じで、松竹の勝利の方程式みたいな時代があった。でも、この黄金トリオの清張モノで、個人的に好きな作品は、こんな小品だったりします。

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 岩下志麻が魅力的でした。先日、亡くなられた実直な加藤剛を惑わせます。

 橋本忍は、黒澤明と並ぶ巨匠、小林正樹の脚本も手がけていて、そちらでは...

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 いずれも重厚な傑作です。私も昭和の日本映画黄金期というと、黒澤明しか知らなかったのですが、あとで小林正樹の映画を見て、圧倒されました。

 橋本忍、本当に多くの傑作の脚本を手がけていて、こんな大作も...

  ポストやくざ映画時代の高倉健の代表作も...

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  すごいです。その一方で、こんな映画も...

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  ああ、こういう映画も手がけていたのかと思いますが、ともあれ幅広いジャンルを手がけています。日本映画の黄金期を支えた名シナリオライターでした。映画はやはりシナリオが面白くなければ、始まりません。合掌。

橋本忍 - Wikipedia