「ベイビー・ドライバー」 自動車が踊るアクション・ミュージカル

 予告編で冒頭のカーチェイス場面を見て以来、気になっていた映画。遅ればせながら、見ました。映画には予告編に騙されるものも少なくないが、これは面白かった! 自動車が音楽に乗って踊るように疾走していく。ストーリーもテンポよく、一気にラストまで走っていく。主人公たち2人の結末もある意味、現代的。「ゲッタウェイ」のスティーブ・マックィーンアリ・マッグローとは違う。いまは、こういう形がいいエンディングなのかも。

ゲッタウェイ デジタル・リマスター版 [DVD]

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 脚本・監督のエドガー・ライト、これまではカルト的な映画が多かったようだが、「ベイビー・ドライバー」を機に、これからメジャーになっていくかもしれない。この映画、ストーリーも映像も音楽も良い。

 俳優陣は主演のアンセル・エルゴートの周りをケヴィン・スペイシージェイミー・フォックスなど演技派で固める手堅い布陣。スペイシーは、セクハラ問題があり、メジャー映画としてはこれが最後になってしまうのだろうか。

 ヒロインのリリー・ジェームズは「ダウントン・アビー」で知った女優さんだが、最近はすっかり映画の人になっている様子。インテリ犯罪者のジョン・ハムは普段は温厚だが、キレると怖く、後半は映画を乗っ取る。その愛人役のエイザ・ゴンザレスはラテン系美人で、気になるタイプだった。

 ともあれ、この映画、アクション・ミュージカルというか、ミュージカル・アクションと言うか、音楽が大きな役割を果たしており、サウンドトラック版の人気があるのもわかる。iPodが主役のひとりでもあり、アップルの宣伝にもなりそうな映画。昔使っていたiPodを引っ張り出して、入れていた音楽を聴いてみたくなってしまった。

「ベイビー・ドライバー」オリジナル・サウンドトラック

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