山根会長問題でも出てきた暴力団との交友疑惑。JOCは本当に動く? 田中JOC副会長問題のときは..

「奈良判定」などという今年の新語・流行語大賞の候補になりそうな言葉まで飛び出した日本ボクシング連盟の山根会長スキャンダル。日大の田中理事長との縁とか、連盟内での強圧的な支配力とか、知らなかったとは思えないメディアのこれまでの沈黙とかを考えると、あちらとの関係のほうはどうなのかな、と思っていたら、毎日新聞が...

mainichi.jp  写真入りで、暴力団との交友疑惑が...。やはり、こういう流れ? で、こんな動きも...

日本ボクシング連盟による助成金流用や不正判定疑惑の問題で、林芳正文部科学相は3日、「事実であれば誠に遺憾」と苦言を呈した上で「日本連盟が自ら客観的な事実関係を明らかにした上で、適切に対応することが重要」と述べ、対応を注視する考えを示した。この問題では日本オリンピック委員会(JOC)と日本スポーツ協会が日本連盟に対し、第三者委員会を設置して調査を求める方針。

【ボクシング】林芳正文科相「事実なら遺憾」 ボクシング不正疑惑 - 産経ニュース

 おお、文科省JOCも動くのだ、これで真相解明だ、ほっと一息、などとは思えないところが日本。それは前例があるから。2015年に国会で取り上げられた田中英寿JOC副会長(当時、いまも日大理事長で話題の人)の暴力団交際疑惑。海外を中心に、東京五輪2020は「ヤクザ・オリンピック」になってしまわないか、と、ツッコミの入ったスキャンダル。

yabudk.hatenablog.com  今回のボクシング連盟スキャンダルと違って、国内メディアでは、あまり話題にならなかったが、国会で火がついた。しかし...

yabudk.hatenablog.com  不完全燃焼のボヤ騒ぎと言うか、このときは続報はないし、その後、どうなったのかと思ったら、FACTAが、このスキャンダルの顛末を書いていた。この記事、田中理事長が暴力団幹部と一緒にいる写真、海外メディアは報道したが、FACTAにはどこからか報じるなと脅しが入り、日本のテレビも新聞も沈黙していたという話の後...

衆院文部科学委員会牧義夫議員が「爆弾」を落とした。日本オリンピック委員会JOC)の副会長でもある田中理事長と6代目の写真を掲載した外国メディアの記事を示し、「このまま東京五輪を迎えるわけにはいかない」と、下村博文文科相に詰め寄った。米ネットメディアは「写真はホンモノだ。牧議員は独立調査委員会の設置を求めた」と報じ、香港の一流紙サウス・チャイナ・モーニングポストは「日本のマスコミがどこも書かないのは率直に言って怖いからだ」と、嘲笑うように書いた。下村文科相は、JOCと日大に「責任ある調査」を命じ、JOCは弁護士を含む外部委託調査を決めたが、田中氏は「写真は偽造だ」と否定した。その後、JOCと日大による「責任ある調査」はどうなったのか――。「写真はホンモノ」とする証拠がないため調査はウヤムヤに終わった。田中理事長へのお咎めはなく、田中氏は17年までJOC副会長に居座った。

「日大の暗黒王」田中英壽:FACTA ONLINE

  6代目というのは、山口組の司忍組長。「下村文科相は、JOCと日大に「責任ある調査」を命じ」って...。だから、今回の林文科相の発言にも既視感があり、これで解決へ向かうというポジティブなイメージがわかなかったのだ。

 田中JOC副会長スキャンダルでは、調査を命じたところまでは報道されたが、その後はいつの間にか立ち消え。日大アメフト部の危険タックル問題で再び注目を浴びた田中理事長、今回も「マスコミは騒ぐが世間はじきに飽きる。大した問題じゃない」と言っているなんて話が伝えられているが、それは前回の成功体験に支えられての自信なんだろうなあ。実際、前回は国会で問題になっても、乗り切ったわけだし。

 山根会長も、田中理事長の成功体験に基づく持久戦を展開するのだろうか。文科省も、JOCも、田中副会長問題のときと同じように、最初は「やってる感」を出しつつ、最後はウヤムヤ、モヤモヤのまま収束という路線だろうか。

 同じ歴史が繰り返すのか。それとも、最近は日本では死語となった感がある「自浄力」が発揮されるのか。どうなるんだろう。

 ただ、前回と違うのは、山根会長、持久戦に我慢できず、表に出てきてしまっていること。田中理事長は、日大アメフト部問題の火の勢いが計算通り収まってきたと思ったら、山根会長問題が至近距離で爆発、延焼してきたことは誤算だっただろうなあ。だから、今までやらなかったこともせざるを得なかったのかな。

www.huffingtonpost.jp この問題、どうなっていくのだろう。歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として、という言葉あるけど、今度は喜劇かどうか。JOC、本当に動くのだろうか。それとも、やってる感だけでお茶を濁すのかな。成り行きが注目されます。